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ハッシュパピィ ~ バスタブ島の少女  シネマの世界<第277話>

a0212807_0485145.jpg2013年4月に公開されたアメリカ映画「ハッシュパピー~バスタブ島の少女」(原題:南部原野の野獣たち Beasts of the Southern Wild)のベン・ザイトリン監督(1982-)は、撮影当時29才で無名の映画監督(作曲家・アニメーター)でした。
ザイトリン監督は、初めて撮るこの長編映画(原作者と共同脚本、音楽担当)のために、2009年映画製作チーム‘コート13’を結成し少数のプロスタッフが、映画の舞台となる地元南ルイジアナの地域住民とタッグを組み連帯して映画を撮りました。
映画「ハッシュパピィ~バスタブ島の少女」のすばらしさは、ベン・ザイトリン監督ほか映画製作スタッフのセンスもさることながら、主人公の少女ハッシュパピィを演じた子役クヮヴェンジャネ・ウォレス(2003年生まれ、撮影当時6才)の天才的な演技力とクヮヴェンジャネ=ハッシュパピィと言っていいようなキャラクターの魅力に負うところが大きいと思います。
a0212807_0495943.jpgハッシュパピィ役の名演技が、高く評価されたクヮヴェンジャネ・ウォレスは、アカデミー賞主演女優賞にノミネート、9才での同賞ノミネートは、アカデミー賞史上最年少でのノミネートでした。
クヮヴェンジャネ・ウォレスは、アカデミー賞主演女優賞こそ逃しましたが、他の有名な映画賞で主演女優賞を軒並み受賞、彼女の秀でた演技才能を映画関係者たちは絶賛しました。
ザイトリン監督は、カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞、将来が期待される監督です。
a0212807_0574763.jpgプロットは、アメリカ南部ミシシッピィ川流域の湿地帯にあるバスタブ島を舞台に環境破壊されていく自然の中で貧しいながらも共同村(スラムのようなコミュニティ)で自由に暮らす親子二人‥ハッシュパピーと乱暴者の父親ウィンク(ドワイト・ヘンリー 1953-)とのシリアスな人間ドラマながら寓話(ファンタジー)のようなストーリーの映画です。
ある日、バスタブ島を地球温暖化による猛烈なハリケーンが襲い、島を水没させ壊滅させました。
ルイジアナ州政府は、住民をバスタブ島から強制退去させ難民キャンプの病院に収容しますが、そこでハッシュa0212807_0583519.jpgパピーは、父ウィンクから「自分の病気は、重くもう助からない。自分一人の力で強く生きろ。」と言い聞かせますが、子供のハッシュパピーには理解できません。
自分の死期が近いこと知るウィンクは、バスタブ島に帰り人生残りの時間を島で暮らすこと決意、ハッシュパピーを残して島に帰りました。
気づいたハッシュパピーは、友だちと一緒に施設を脱走し島に帰りました。
海水の引いたバスタブ島は、すっかり自然環境が破壊され、島の生態系は変わり、動物たちの屍が、至るところ
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に転がり死の島になっていました。
そのバスタブ島に氷河が溶けて現われた原始の野獣(もののけ姫に登場する巨大いのししに似ている)の群れが押し寄せ、ハッシュパピーは、病気の父ウィンクと島を守るため一人で野獣に戦いを挑みました。
ザイトリン監督は、映画「ハッシュパピィ~バスタブ島の少女」を16 mmフィルムで撮影しているので記録映画のような映像も寓話性効果を高めているように思います。(公式サイト:こちら
by blues_rock | 2014-01-12 00:12 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)