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心の時空

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潜水服は蝶の夢を見る  シネマの世界<第276話>

a0212807_2044749.jpgアメリカの映画監督にして画家でもあるジュリアン・シュナーベル(1951-)が、監督した2007年作品「潜水服は蝶の夢を見る」は、フランスの有名モード雑誌ELLEの元編集長であったジャン=ドミニック・ボービー(1952-1997)が、書いた小説「潜水服は蝶の夢を見る」(原題:Le scaphandre et le papillon)を映画化したものです。
元ELLE編集長にして映画の原作者ジャン=ドミニック・ボービーは、1995年突如脳出血で倒れ、一命は取り留めたものの全身の運動機能を失い唯一動かせるのは“左目のまぶた”だけでした。
彼は、言語聴覚士の指導により“左目のまぶた”の瞬(まばた)きで意思を伝える技術を憶え、自伝小説を書くことを決意しました。
そして執筆したのが、1997年出版の「潜水服は蝶の夢を見る」でした。
ジャン=ドミニック・ボービーは、本の出版を見届けるようにその2日後に死亡、享年45才でした。
シュナーベル監督は、主人公のジャン=ドミニック・ボービー(愛称ジャンドー)の過去(元気な時の様子)と脳出血で倒れ全身の運動機能を失った後(現在の様a0212807_20434487.jpg子)をカットバックで交互に見せながら、ジャンドーの自分の意のままにならない‘生きる姿’を描いています。
主人公のジャン=ドミニック・ボービー(ジャンドー)をマチュー・アマルリック(1965- 2005年「ミュンヘン」、2007年「ある秘密」)が好演、セザール賞主演男優賞を受賞しました。
ジャンドーの元妻セリーヌ役をエマニュエル・セニエ(1966-、2010年「エッセンシャルキリング」)、言語聴覚士a0212807_20475990.jpg
アンリエット役でカナダの女優マリ=ジョゼ・クローズ(1970-、2003年「みなさん、さようなら」(こちら)でカンヌ国際映画祭女優賞受賞、2005年「ミュンヘン」、2010年「海の上のバルコニー」)が共演、さらにジャンドーの老いた父親役として、なんとスウェーデンの名優マックス・フォン・シドー(1929-)が出演しています。
撮影監督は、スピルバーグ監督の信任厚く、同監督作品の撮影を多く手がけるヤヌス・カミンスキー(1959-、1993年スピルバーグ監督作品a0212807_2175435.jpg「シンドラーのリスト」、1998年同監督作品「プライベート・ライアン」の撮影でアカデミー賞撮影賞受賞)で、カミンスキー撮影監督のカメラワークも秀悦で、撮影カメラ1台が、‘ジャンドーの左目’の役割を担い、ジャンドーの左目が見ているもの、ジャンドーの左眼に見えるものを映しました。
ジャンドーの左目に映る言語聴覚士アンリエットのマリ=ジョゼ・クローズが、セクシーでチャーミング、「海の上のバルコニー」(こちら)とは、一味違う軽やかな演技が、魅力的でした。
by blues_rock | 2014-01-10 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)