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心の時空

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a day in my life

絵の値段

a0212807_958117.jpg私の職場(高齢者在宅介護施設「デイサービス」と「小規模多機能ホーム」)では、毎週火曜日の午後、お客様(80代~90代の高齢者)介護サービスの一つとして絵画教室を開催しています。
絵画材料費を月400円負担していただき週1回1時間の創作ながら時々、認知症を患う高齢芸術家たちの個性あふれるビックリする傑作(こちら)に出遭います。
私が、高齢芸術家たちの絵を‘世界に1枚しかない傑作です’とその価値を伝え、自宅に帰られたらすぐに額に入れて、できれば壁に掛けて楽しむか、遠くに住まう親族あるいは友だちにプレゼントしてくださいと褒めても当のご本人は、照れながら「何がね、こげなヘタ絵、恥ずかしゅうて、他a0212807_1024147.jpg人(ひと)に見せられんばい。」とニベもなく、皆様方全員が、自分の絵を素人のヘタな絵と過小評価されます。
そこで昨年12月24日の絵画教室では、大型テレビ画面(モニター)に映した‘世界に1枚しかない傑作’を見ていただき、その価値と「絵の値段」の話をしました。
この話題に関心をもっていただくため、今年ビッグ・ニュースになったフランシス・ベーコンの絵(上の3点)を皆様a0212807_1051023.jpg方に見てもらい「もしあなたが、巨万の富をもつ大金持ちなら、この絵を買いますか?」と私が質問したところ「(やると言われても)要らない!」と皆様方の大声に大笑いです。
フランシス・ベーコン(アイルランド、哲学者フランシス・ベーコンの直系子孫 1909-1992 左最上段の写真)の作品「ルシアン・フロイドの三習作」は、今年2013年ニューヨーク・クリスティーズのオークションで落札価格が、141億円であったことを伝えると「エーッ!ワタシャいらん!」の一言でまた大a0212807_10133394.jpg笑いです。
次に、ムンク(ノルウェー 1863-1944)のパステル画「叫び」(右の絵)を見てもらい、2012年ニューヨーク・サザビーズの落札が、96億円であったと説明すると「こげな気色の悪い絵、私は買わん。」とニベもなく、同サザビーズの2006年オークションでクリムト(こちら最下段の絵)の「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像」が156億円、他にも参考に、ピカソ(こちら最上段の絵)の油絵「ヌード、観葉植物と胸像」が、ニューヨーク・クリスティーズで101億円、ゴッホ(こちら最下段の絵)の「ガッシェ博士の肖像」は、推定価格で132億円くらい、彫刻では、ジャコメッティ(スイス 1901-1966)の「歩く男」(下の彫刻)が、先日ロンドン・サザビーズのオークションで91億円の落札価格で取引されたことを話しました。
絵画教室に参加された皆様方、一様に首を捻るばかり、私から「最後に質問します。もし1点差しあげるので、どの作品が1点選んでください、と言われたら、どの作品にしますか?」と尋ねたところ異口同音に「どれも、いらん!」と一言でバッサリ‥私が「差しあげa0212807_10143161.jpgると言うのだから‘ありがとう’といただいて、そして売れば100億ですよ。」とイジワルな突っ込み入れても皆様方、100億円という‘日常生活で必要としないお金’つまり自分の価格体系でイメージできない金額にピンと来ないのか、まったく無反応でした。
大富豪が、オークションで有名な芸術家の作品を1点100億円、200億円でセリ落とし、大邸宅の居間に飾りニンマリ眺めるのも楽しい趣味かも知れませんが、私は、絵画・彫刻の真の数寄者なら巨万の富を利用して‘無名の若き芸術の天才たち’の優れた作品を自分の美意識(目利き)で発掘し若き天才たちの行く末を見守る趣味のほうが(道楽かも知れませんが)、ずっと楽しいだろうと思います。
貧乏な私には叶わない夢ではありますが‥コジモ・メディチ、エカテリーナⅡ世も、松方幸次郎、大原孫三郎も、我がコレクションを眺め芸術の美に耽る時間は、至福であったろうと推察します。
by blues_rock | 2014-01-03 00:03 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(1)
Commented by blues_rock at 2015-05-13 06:54
「絵の値段」追記(2015年5月13日)
昨日の日本経済新聞記事によるとピカソの絵が、215億円で落札されたとか‥生涯で15万点近い作品を残した画家の絵にしては、途方もない値段です。
世界的な金融緩和相場の悪しき影響で正しくバブル再発‥まさか落札者は、バズーカ日銀じゃないでしょうね。