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心の時空

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愛さえあれば  シネマの世界<第264話>

デンマークの女性映画監督にして名匠スサンネ・ビア監督(1960~ こちら)の新作映画「愛さえあれば」は、今年2013年5月に日本公開されました。(公式サイトはこちらです。)
a0212807_1132214.png最初、映画タイトルの「愛さえあれば」から、私は、勝手に男女のロマンスを軽妙なコメディタッチで描いた映画とばかり思っていました。
私が、今までに見たスサンネ・ビア作品は、2002年「しあわせな孤独」、2004年「ある愛の風景」、2006年「アフター・ウェディング」、2007年「悲しみが乾くまで」、2010年「未来を生きる君たちへ」ですが、それぞれ映画のプロットに一貫する特長は、人間の本性(本質)にシリアスに切り込むスサンネ・ビア監督の明晰な知性とクールな理性を感じていましたので、新作「愛さえあれば」を見る前の私は、スサンネ・ビア監督らしくない印象をもち、a0212807_11412335.jpgスサンネ・ビア監督に心境の変化が、起きたのかと思いました。
「愛さえあれば」の原題は「Love Is All You Need」‥ビートルズの名曲に似ていますが、こちらは「All You Need Is Love」、ビア監督の盟友でいつもスサンネ・ビア作品の脚本を担うアナス・トマス・イェンセン(1972~)のビートルズへのオマージュを感じました。
a0212807_11424348.jpg「愛さえあれば」の舞台は、南イタリアのソレント、たわわに実るレモン果樹園が連なる丘と森の中にある旧い石造りの家々、目の前には、地中海の風光明媚な青い海、それに対比させて北ヨーロッパの寒冷地デンマークと北海の玄い海、この背景のコントラストを登場人物たちの心のコントラスト(明暗・愛憎)に重なり合わせる映像と演出で映画にするスサンネ・ビア監督の才能は、心境の変化どころか円熟し、映像の文芸作品のようa0212807_1147393.jpgでした。
スサンネ・ビア監督の演出(陰と陽のコントラスト)に出演者たちが、それぞれ役柄のもつ陰と陽をメリハリある演技で応えています。
主演したピアース・ブロスナン(1953~)とトリーヌ・ディルホム(1972~)の二人が、それぞれ抱える‘心の傷(陰)と愛(陽)’を、時にセンチメンタルに感情を抑え、時にロマンスの予感を漂わせながら、溢れる想いを表現した演技a0212807_11494331.jpgは、秀悦で必見の価値ある映画です。
アイルランドの俳優ピアース・ブロスナンは、007ジェームス・ボンド役のポスト「ショーン・コネリー(こちら)」のイメージ(3本に主演)が強く、あまり評価していませんでした。
2010年の「ゴーストライター」で‘名優ピアース・ブロスナン’として見直しました
私が、デンマークの女優トリーヌ・ディルホムの出演した映画を見るのは、「愛さえあれば」が初めてながら、私のa0212807_11502784.jpg印象に初めてという感じがなく、想いを巡らせていたらイタリアの名女優「ジュリエッタ・マシーナ(こちら)」に重なる印象があったからかもしれません。
スサンネ・ビア監督の作品に名作が、1本追加されました。
by blues_rock | 2013-12-19 00:24 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)