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心の時空

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a day in my life

容疑者  シネマの世界<第259話>

a0212807_12452622.jpgロバート・デ・ニーロ(1943~1976年映画「1900年」必見)とフランシス・マクドーマンド(1957~1996年映画「ファーゴ」アカデミー賞主演女優賞受賞)の共演に惹かれて見ました。
アメリカ映画「容疑者」(2002)の監督は、スコットランド出身のマイケル・ケイトン=ジョーンズ(1957~)で、1997年監督作品「ジャッカル」(1973年「ジャッカルの日」のリメイク)のハードボイルドな演出が冴えていましたので、そのタイトルから今度もハードボイルドな映画とばかり思っていa0212807_12461154.jpgましたが、シリアスな親子の物語でした。
映画の原題は「City by the Sea」(海辺の町)、この街で父は殺人課の刑事、息子はヘロイン中毒のジャンキー、ある日ヘロイン欲しさに麻薬の密売人を殺し逃亡、殺人容疑者で手配されていました。
父である刑事(ロバート・デ・ニーロ)もまた心に深いトラウマを抱えていました。
刑事が8才の時、彼の父は、事業の失敗で負った多額な借金を返済しようと資産家の乳児を誘拐、身代金を取ろうとしましたが、乳児を包んだ毛布により乳児は窒息死、彼の父は逮捕され裁判にかけられ死刑の判決を受けました。
刑事は、息子が幼いころ母親(妻)と離婚し長い間、息子(ジェームズ・フランコ)と会っていませんでした。
自分は幼いころ父親から捨てられたと思いこんでいる息子もまた心に深い傷を抱えていました。
屈折したトラウマから脱け出せない麻薬中毒ジャンキーの息子を演じたジェームズ・フランコ(1978~)の実在感がすばらしく、救いようのない虚無・退廃をリアリティ溢れる演技で名演しています。
フランシス・マクドーマンドは、中年で独身のビジネス・ウーマン、刑事と同じアパートに住まい彼のガールフレンa0212807_12483440.jpgドの脇役ですが、その存在感はさすがです。
ロバート・デ・ニーロとジェームズ・フランコ、ロバート・デ・ニーロとフランシス・マクドーマンドの劇中コラボレーションを楽しむ映画ながらプロットとシチュエーションが、現代アメリカの深い病巣を描いていますので少しシンドイ映画です。
ロバート・デ・ニーロは、映画の撮影時50代終わりで少し太り気味ながら演技の上手さは、いつもながら感心するばかり‥1976年マーティン・スコセッシ監督作品a0212807_1249155.jpg「タクシードライバー」(右写真)に主演し、同時にベルナルド・ベルトルッチ監督作品「1900年」にも主演、まったくタイプの違う主人公を見事に演じ分けている当時新進気鋭の“俳優ロバート・デ・ニーロ”を鑑賞するのも一興です。
by blues_rock | 2013-12-10 00:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)