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心の時空

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宮廷画家ゴヤは見た  シネマの世界<第258話>

a0212807_11202347.jpgアメリカ(出身はチェコ)の映画監督ミロス・フォアマン(1932~ 1975年「カッコーの巣の上で」でアカデミー賞監督賞受賞)は、19世紀初頭の崩壊していく封建制絶対王政(アンシャン・レジューム)のスペインを宮廷画家フランシスコ・デ・ゴヤ(1746~1828没、享年82才)の目を通し「宮廷画家ゴヤは見た」(2008年日本公開)で映像にしました。
ゴヤは、17世紀前半に活躍した宮廷画家ベラスケス(1599~1660)と並びスペインを代表する画家で、ゴヤもまた宮廷画家でしたが、彼の真の画家として才能は、難病で聴力を失う60才頃から82才で亡くなるまでに発揮されました。
とくに1819年、‘聾者(ろうしゃ)の家’と名付けた別邸に転居してから家の壁と言う壁に描いた後年「黒い絵」と呼ばれる14点の壁画(現在すべてプラド美術館収蔵)は、芸術家ゴヤの魂そのものと思います。
a0212807_1121278.jpg映画「宮廷画家ゴヤは見た」の主たる人物は三人、宮廷画家のゴヤをスウェーデンの俳優ステラン・スカルスガルド(1951~ 2011年「ドラゴン・タトゥーの女」)、キリスト教カトリックの修道士ロレンゾにスペインの名優ハビエル・バルデム(1969~ 2007年「ノーカントリー」アカデミー賞助演男優賞受賞)、カトリック教会の異端審問で冤罪の犠牲者となるゴヤの美しいモデル、イネスにナタリー・ポートマン(1981~ 1994年「レオン」デヴュー、2009年「マイ・ブラザー」の演技は必見)が、好演しています。(上の油彩画:1815年のゴヤ自画像)
映画は、前述の19世紀初頭、堕落したスペインの封建制社会(絶対王政とカトリック教会の癒着による腐敗)を舞台にしています。
a0212807_11253965.jpgスペイン絶対王政の浪費で搾取に喘ぐスペインの人々は、飢えと貧困で苦しんでいました。
カトリック教会は、飢えと貧困に喘ぐ人々を救済するどころか、国王の威を借りたカトリック教会見せかけの権威と既得権を死守するため教会の教えに従わない人々を‘異端審問’の名のもとに弾圧、彼らの云う神の名のもとに絶対服従を強いていました。
ゴヤのモデルを務めていた商人の娘イネスは、大衆食堂の豚肉が嫌いで食べなかったため異端であるユダヤ教(豚肉は禁忌の食べ物)信者と疑われ、異端審問の拷問で自白を強制されました。
a0212807_1129297.jpgカトリック教会で異端審問を推進する修道士ロレンゾは、ゴヤに自分の肖像画を描いてもらうためゴヤの元に通い、そこでゴヤのアトリエでイネスを描いた美しい肖像画に見惚れていました。
イネスの父親は、ゴヤのスポンサーでイネスを解放したらカトリック教会に巨額の寄進をするとゴヤを介して修道士ロレンゾに懇願しました。
ロレンゾは、異端審問の牢獄に繋がれているイネスを訪ねました。
イネスは、自分がカトリック信者であることを必死で訴え、ロレンゾに助けてくれるよう縋(すが)りつきました。
a0212807_11294294.jpgロレンゾは、若い娘イネスの魅力に修道士であることも忘れ、イネスと性的関係を持ちそれ以来、牢獄のイネスのもとへ度々通い彼女を妊娠させてしまいました。
折しも1787年に始まったフランス革命は、フランスの絶対王政を崩壊させ、1799年にナポレオンがフランスを支配するとナポレオン軍は、スペインに侵攻、スペインの絶対王政を崩壊させました。
映画「宮廷画家ゴヤは見た」は、激動の時代に翻弄される三人‥ゴヤ・ロレンゾ・イネスを描きます。
a0212807_11394634.jpg歴史映画を見る時、時代背景と歴史を学んで見ると映画の中にいるような臨場感を味わうことができます。
by blues_rock | 2013-12-08 00:19 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)