ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

惑星ソラリス(第二部)  シネマの世界<第253話>

タルコフスキー監督は、「惑星ソラリス」を監督した40代あたりから54才で亡くなるまでの晩年にかけて映像表現に深い精神性が顕われ、人類の救済をプロットにした映画を撮っています。
a0212807_13345749.jpg
分厚い雲(宇宙飛行士は粘着性の霧と証言)と海に覆われた「惑星ソラリス」を探索していたソラリスの宇宙ステーションが、地球との交信を絶ち、急きょ心理学者クリス・ケルヴィン(ドナタス・バニオニス1924~ ソ連国外の映画で名脇役として活躍)が、その原因調査のため宇宙ステーションに派遣されました。
a0212807_13374840.jpgクリスが、宇宙ステーションに到着すると80名居たはずの乗組員は残る3名、うちクリスの旧友がクリスへ自殺メッセージを遺しすでに死亡、残り2名の乗組員しか居ないはずの宇宙ステーションに他に生存する人間がいる痕跡を発見、さらに「ソラリスの海」は、かなり高度の知性を有した生命体のようで、クリスの記憶に侵入、数年前服毒自殺したクリスの妻ハリー(ナターリヤ・ボンダルチューク1950~「惑星ソラリス」が映画初出演、美しく演技もすばらしい)を出現させるなど宇宙ステーションの中で数々a0212807_13391313.jpgの不可解な現象が顕われました。
この不可解な現象は、ニュートリノ(電荷のない微細素粒子)の集合体‘ソラリスの海’が知的活動をしているからなのか、人類は「惑星ソラリス」を探査するため‘ソラリスの海’に強力な放射線を照射しながらソラリスとのコミュニケーションが可能なのか、活動する‘ソラリスの海’の高度な知性を人類は、果たして理解することができるのか‥タルコフスキー監督は、この形而上学的ともいえる難解な命題である‘永遠の生命’・‘普遍の真実’・‘不変の愛’の表現にタルコa0212807_13425279.jpgフスキー監督ならではの映像感覚を駆使して‘ソラリスの海’の神秘的なシークエンスや宇宙ステーション内の人体浮遊シーンを上手に撮っています。
映画の終盤、‘ソラリスの海’が再生させたクローンのハリーとクリスが‘ブリューゲルの農村風景画’(こちら)を見るシークエンスも意味深長です。
映画のラスト・シーンは、タルコフスキー監督の皮肉が効いたおもしろい結末です。
a0212807_13461770.jpgクリスは、‘ソラリスの海’の変化(活動の活発化)を感じ、宇宙ステーションにいる2人に自分と一緒に地球に帰還することを提案しますが、イヤだと拒否されました。
クリス一人、地球に帰還し古里の家に還りましたが、そこはクリスの記憶から‘ソラリスの海’が創造した海の島(上写真にある島)にあるクリスの古里の家でした。
そもそもプロットが難解なうえ、タルコフスキー監督は、カットをカメラの長回しで撮影するので、スローテンポな
a0212807_13465712.jpg
展開と相俟って「惑星ソラリア」を敬遠している映画ファンも多いようですが、カンヌ国際映画祭では、審査員を魅了し「審査員特別グランプリ」を受賞しました。
スタンリー・ギューブリック監督の1968年傑作SF映画「2001年宇宙の旅」(こちら)と併せてご覧になるとよりおもしろいと思います。
 
by blues_rock | 2013-11-28 00:25 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)