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心の時空

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a day in my life

地方  詩 : 石垣りん

詩人「石垣りん」の詩二編を9月13日の拙ブログ(こちら)に掲載しましたところ、先日から集中的に多くの反響をいただきました。
石垣りんは、ポピュラーな詩人とは思えないので、ネット上かドラマか何かで突然話題となったのかな、と頭を捻(ひね)っているところです。
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生涯、生活のための仕事をもちながら、詩を編み続けた詩人の詩は、何物にも媚びない毅然とした、つまらない社会の常識におもねない凛とした、品格が漂います。
             地方    詩 : 石垣 りん
          私のふるさとは
          地方、という所にあった。
          私の暮らしは
          首都の片隅にある。
          ふるさとの人は山に木を植えた。
          木は四十年も五十年もかかって
          やっと用材になった。
          成人してから自分で植えたのでは
          一生の間に合わない
          そういうものを植えて置いた。
          いつも次の世代のために
          短い命の申し送りのように。
          もし現在の私のちからの中に
          少しでも周囲の役に立つものがあるとすれば
          それは私の植えた苗ではない。
          ちいさな杉林
          ちいさな檜林。
          地方には
          自然と共に成り立つ生業があったけれど
          首都には売り買いの市場(いちば)があるばかり。
          市場(しじょう)ばかりが繁栄する。
          人間のふるさとは
          地方、という美しい所にあった。
昔、私がまだ農協(JAなどという欺瞞的な名前が私は嫌いです)に勤めている頃、全国の中山間地域で農業を営む農林業の方々(林業との兼業農家)に原木椎茸栽培の生産振興を促進する仕事をしていました。
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ある日、山裾で椎茸の榾木(ほだぎ)の伏せ込み作業をされている70代の椎茸生産者を訪ねた時、植林されたばかり杉の若木林が、私の目に入りました。
私が、林業家でもある年配のその方に「この杉は、何年くらいしたら伐採されるのですか?」と質問したら「そうだな‥100年後かな?」とアッサリ答えられました。
a0212807_12372389.jpg続けて私に「林業やっとるモンは、自分の代、子供の代ために仕事しとらん。皆な曾孫(ひまご)の代か、その次の代のためだ。アッハッハ」と豪快に笑われました。
う~ん、昨今の四半期(3か月)毎の業績(増収増益がノルマ)次第で投資家(株主)からクビを挿げ替えられる大企業の経営者たちに100年後50年後の会社の行く末を想定して働けと期待してもせんないことながら、3年5年先を見通して仕事するくらいの情熱と能力は、最低限必要と思います。
1,000兆円もの借金(国庫財政累損赤字)を100年後、200年後のこの国の子孫に残す私たちは、天下の罪人かもしれません。(私の懺悔 こちら
by blues_rock | 2013-11-05 20:02 | 詩/短歌/俳句/小説 | Comments(0)