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心の時空

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3時10分、決断の時  シネマの世界<第240話>

「3時10分、決断の時」は、2009年日本公開の西部劇映画で、駅馬車を襲い現金を強奪する強盗団の利口なボス、ベン・ウェイドをラッセル・クロウ(1964~)、借金返済のために強盗団のボスの護送を請け負う牛牧場主ダン・エヴァンスをクリスチャン・ベール(1974~)が、お互い対立しつつも交感する男同士を好演しています。
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ラッセル・クロウとクリスチャン・ベール、二人の名優のすばらしい演技が見もので1996年映画「ヒート」(こちら)で演じたアル・バチーノ(刑事)とロバート・デ・ニーノ(犯罪者)の演技コラボレーションを再現したような見事な演技が、クライム&アクション西部劇映画を上質な人間心理劇映画にしています。
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監督は、ジェームズ・マンゴールド(1964~)、2005年作品の「ウォーク・ザ・ライン~君につづく道」もなかなか良い映画でした。
映画「3時10分、決断の時」の原題「 3:10 to Yuma」とは、‘3時10分発ユマ行の汽車’という意味です。
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ダン・エヴァンスは、南北戦争で足を負傷、わずかな傷痍軍人手当をもらいアリゾナに帰り不自由な体で牛牧場を経営していました。
干ばつ続きで牛牧場の経営も借金が膨らみ親子4人の暮らしも貧しくなるばかりでした。
a0212807_19525864.jpg小さな田舎町に鉄道が通ることになりダンの牧場はジャマになりました。
鉄道会社に雇われたゴロツキたちが、子供の目の前で彼の納屋に火を点け牛のエサ(干し草)や農具を焼き払い立ち去るよう嫌がらせをしました。
それでもダンは、家族のために鬱屈した気持ちをじっと胸に仕舞い黙って働いていました。
そんなおり駅馬車強盗団のボス、ベン・ウェイドが捕まりました。
ベン・ウェイドは、アリゾナの田舎町から刑務所のあるユマまで汽車で移送されることになり最寄りの鉄道駅までa0212807_2002472.jpg護送する仕事をダンは、借金返済のため200ドルで引き受けました。
ユマ行きの駅は、町から遠いところにありますが‘3時10分発ユマ行き’の汽車に強盗団のボス、ベン・ウェイドを乗せるのは、苦難の護送でした。
ダンが、強盗団によるボス奪還の襲撃のともなう危険な護送を引き受けたのは、借金返済の200ドルや正義感のためではなく、うだつのあがらない夫、情けない父親の自分自身に愛想を尽かしたダンが、妻や子供に誇れる自分を取り戻すためでした。
a0212807_205292.jpg正確な射撃の腕前をもちクールで残虐な半面、知性と教養があり、思慮深いところを見せる駅馬車強盗団のボス、ベン・ウェイドを新しい悪党モデルとしてラッセル・クロウが、洒脱に飄々とユーモアを漂わせながら絶妙に演じています。
クリスチャン・ベール現在39才、俳優としてその秀でた才能は、同じイギリスの名優ダニエル・デイ=ルイスに似たものを感じます。
スチーブン・スピルバーク監督に見出され13才の時「太陽の帝国」(1987)でデビュー、「ザ・ファイター」(2010)でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
a0212807_2052071.jpg「3時10分、決断の時」の主人公ダンが家族を大切に思い、わが身を呈して必死で守ろうとする姿は「壬生義士伝」の武士(サムライ)吉村貫一郎に通じるものがありました。
「3時10分、決断の時」は、年老いた賞金稼ぎ役のピーター・フォンダ(1940~上写真)の渋い演技やボスのベンを心酔する偏執狂のような手下を演じたベン・フォスター(1980~)など脇役の名演も見どころの映画です。
by blues_rock | 2013-11-04 22:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)