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心の時空

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思秋期  シネマの世界<第233話>

a0212807_0593934.jpgイギリスの個性的な俳優パディ・コンシダイン(1974~)が、自ら脚本を書き長編映画にデビューした2012年日本公開作品「思秋期」は、30代半ばの若者が、それも初めて監督として長編映画を撮ったとは思えないくらいに、人間の心の闇に深く切り込み、ズシリと重く息苦しいテーマながら完成度の高い映画でした。
日本公開時のタイトル「思秋期」という言葉の響きから人生に重い傷を抱えた中年男女の哀愁ある大人の恋物語を想像すると大間違い‥映画のプロットは、重く息苦しい中年男女の‘どうしようもない(救いようのない)’人生模様で、見ているこちらのほうまで次第に暗く沈んでいくようなストーリーです。
映画の原題は、「ティラノサウルス」(Tyrannosaur、恐竜の中で最も凶暴な肉食恐竜)、2011年10月東京国際映画祭で上映された時のタイトルは、この「ティラノサウルス」でしたから、そのほうが映画のプロットを良く表現していると思いました。
映画は、自分の感情とくに怒りを自制できずアルコールに救いを求め自己破滅していく男(ピーター・マラン
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1959~)、夫の暴力に逆らえず虐待に耐え、信仰に救いを求める女(オリビア・コールマン)、その夫で妻を殴り蹴りさらに性的虐待を繰り返しながら、突然豹変して妻にメソメソすがるという不気味な二面性をもつ男(エディ・マーサン 1968~)、三人三様の心理劇を見ているようです。
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名優ピーター・ミュランの演じる孤独に苛まれながら人と関われず自暴自棄の男は、リアリティがあり真に迫り、オリビア・コールマンが、夫のDVの呪縛から逃れられない弱い妻を好演し、その夫を演じたエディ・マーサンの精神異常のような気味悪い、見る者の嫌悪感を煽(あお)るような怪演も見事でした。
a0212807_113369.jpgこの映画「ティラノサウルス(思秋期)」は、イギリス国内の多くの映画祭で作品賞・監督賞・脚本賞ほか数多くの賞を受賞しています。
予告編をこちらに貼付いたしますので興味のある方はご覧ください。
右の写真は、2011年映画「ブリッツ」でジェイソン・ステイサムと共演した俳優パディ・コンシダインです。
パディ・コンシダインの連続警察官殺し犯人ブリッツ役もジェイソン・ステイサム演じる敏腕刑事相手にクールな演技で印象に残りました。
by blues_rock | 2013-10-18 00:57 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)