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心の時空

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ボーイズ・ドンド・クライ  シネマの世界<第218話>

a0212807_18505569.jpgアメリカの女性映画監督キンバリー・ピアース(1967~)が、1999年に発表した初監督長編映画「ボーイズ・ドンド・クライ」は、アメリカで最も保守的といわれる地域で起きた殺人事件の実話をもとに、実在した性同一性障害者を主人公の自分のありたい自分と向き合いながら社会的偏見に虐げられて必死に生きた性同一性障害者の21年の生涯を描いています。
ピアース監督自らゲイ(レスビアン)を公言するだけあって、映画「ボーイズ・ドンド・クライ」では、真正面から女性の性同一性障害を取りあげ、主人公の‘女性ティーナ=青年ブランドン’の苦悩を丁寧に冷静な演出で表現しました。
初メガホンのピアース監督が、見事な映画センスを発揮もさることながらピアース監督の演出に立派に応えたヒラリー・スワンク(1974~)のハンサムな青年‘ブランドン’が、秀悦(ピカイチ)でした。
ヒラリー・スワンクは、オーディションを受け、主人公の‘ブランドン=ティーナ’役に抜擢されました。
「ボーイズ・ドンド・クライ」の主人公である青年ブランドンは、子供のころから女の体(ティーナ)である自分に違和感をもち、女の子を好きになったことからレスビアンと蔑まれ嫌がらせを受けて育ちました。
a0212807_18565932.jpg青年に成り名前をブライアンと変え、髪を短く刈り込んだ外見は、ハンサムな青年ブランドンそのものになりました。
映画の舞台は、地図にも載っていないようなアメリカ中西部ネブラスカ州の田舎町で、バーで出遭った女性たちに「ぼくはブランドン」とシャイな態度で接する彼は、女性たちにモテました。
地域社会に充満する同性愛に対する嫌悪と不寛容の中でブランドン(=ティーナ)が、求めるアイデンティティの叫び(自己主張)は、理解者(概ね女性)と不理解者(ほとんど男性)を巻き込み、ブランドンが女性(ティーナ)と分かった後のブランドンへa0212807_1974027.jpgの迫害と暴力、それまでの男友だちが行なう報復のレイプ、そして理解できないことへの苛立ちと嫌悪による殺人へ次第にエスカレートして行きました。
映画は、殺伐とした家族の愛情、個人主義の欲望と自分の思うとおりにならないことへのイラ立ち、暴力の連鎖さらに自分(たち)と異質なものに対する不寛容な精神‥その一方で家族や他人の愛を求めて彷徨(さまよ)う孤独なアメリカ人の姿を映し出していました。
a0212807_1982466.jpg映画は、主人公‘ブランドン=ティーナ’という 女性の性同一性障害者を体当たりで演じたヒラリー・スワンクの実在感が極めて大きく、ブランドン(=ティーナ)役のヒラリー・スワンクの演技は、高い評価を受け、アカデミー賞主演女優賞を始め、著名な20以上の主要映画コンクールで主演女優賞ほか各賞を受賞しました。
ヒラリー・スワンクは、2004年クリント・イーストウッド監督映画「ミリオンダラー・ベイビー」でも2度目のアカデミー賞主演女優賞を受賞、名実ともに名女優となりました。
by blues_rock | 2013-09-17 00:38 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)