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心の時空

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薊(あざみ)の花のすきな子に  詩:立原道造

「 薊(あざみ)の花のすきな子に 」 詩:立原道造a0212807_20551829.jpg
風は 或るとき流れて行った 
絵のやうな うすい緑のなかを
ひとつのたつたひとつの人の言葉を
はこんで行くと 人は誰でもうけとつた
ありがたうと ほほゑみながら
開きかけた花のあひだに
色をかへない青い空に
鐘の歌に溢れ 風は澄んでゐた
気づかはしげな恥らひが
そのまはりを かろい翼で
にほひながら 羽ばたいてゐた… 
何もかも あやまちはなかつた
みな 猟人も盗人もゐなかつた
ひろい風と光の万物の世界であつた
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(写真)
立原道造(上)と彼が恋した水戸部アサイ(左)
立原道造(1914~1939)は、才能にあふれた早世の詩人にして将来を期待された建築家でした。
旧制高校のころから堀辰雄と親しく東京帝国大学(工学部建築学科)に入学後、堀辰雄主宰の同人誌「四季」同人になりました。
立原道造は、建築家としても才能を発揮、東京帝国大学建築学科に在学中、辰野金吾(建築家、日本銀行本店・同大阪支店・東京駅・旧唐津銀行本店など現存する建築多数)賞を3年連続受賞する秀才でした。
1939年詩人立原道造は、第1回中原中也賞を受賞、その1か月後結核のため24才の若さで亡くなりました。
by blues_rock | 2013-09-12 00:50 | 詩/短歌/俳句/小説 | Comments(0)