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心の時空

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オール・アバウト・マイ・マザー  シネマの世界<第214話>

a0212807_402716.jpgスペイン映画の名監督ペドロ・アルモドバル(1951~)が脚本を書き監督1999年に発表した映画「オール・アバウト・マイ・マザー」は、タイトルのとおり、作家志望の一人息子と二人、17才の誕生日を祝うため外出した劇場前で、突然息子が車に撥(は)ねられ母親(セシリア・ロス 1956~ アルゼンチン出身の女優)の目の前で死亡しました。
彼女の職業は、臓器移植コーディネーターでした。
脳死した息子の臓器提供に同意しサインしたものの最愛の一人息子を喪失した母親の絶望感は、臓器移植同意契約の倫理違反にも関わらず、息子の心臓提供を受けた男性に息子の面影を求めました。
失意のマドリッドでの辛い現実から逃れるため彼女は、息子を妊娠した街バルセロナに還ることにしました。
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彼女は、息子の死をゲイの父親(子供がいることも知らない)に知らせるためでもありました。
遠い昔、愛人であった息子の父親の消息を知るため彼女のバルセロナ時代の旧友でゲイの娼婦(アントニア・サン・フアン 1961~女優・映画監督、女性である彼女のゲイ役がすばらしい!)を捜しました。
a0212807_482323.jpgストーリーは、ここから佳境に入りますが、アルモドバル監督の個性的なプロット(世界観)と独特の色彩感覚による映画「オール・アバウト・マイ・マザー」が表現したいのは、女性あるがままの‘女性賛美’でした。
今が旬の若い女性、昔は若く華やかであった高齢の女性、女性でありたいゲイの男たちも讃える映画でした。
ゲイの恋人からエイズを移され妊娠しているシスター(ペネロペ・クルス 1974~ 当時25才、この映画の演技で
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世界的な有名女優に)や同性愛の老女優(マリサ・パレデス 1946~)、ペネロネ演じるシスターの父親で認知症老人(フェルナンド・フェルナン・ゴメス 1921~2007)などセシリア・ロス演じる女性(母親)と関わる共演者たちが、名優ぞろいで見応えある演技を見せてくれました。
a0212807_4103189.jpg映画のラストシーンは、息子を亡くした母親が母(シスター)をエイズで亡くした幼い男の子と一緒に生きていく(息子にする)と決めた穏やかな表情を映して終わりました。
「オール・アバウト・マイ・マザー」は、その年のアカデミー外国語映画賞・カンヌ国際映画祭グランプリ・ゴールデングローブ賞外国語映画賞・英国アカデミー賞・セザール賞・ヨーロッパ映画賞・ニューヨーク映画批評家協会賞他多くの映画祭で賞を受賞しました。
by blues_rock | 2013-09-07 03:58 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)