ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

地政学的 シリア(後編)

シリア国民の90%は、イスラム教徒で20%をアラウィ派が占め、アラウィ派の独裁者アサド大統領率いるバース党とシリア軍(上層部)が、全シリアを支配し利権を独占しています。
a0212807_22152242.jpgシリア国民の70%を占めるのが最大勢力のスンニ派で、反アサド(反政府)勢力としてアラウィ派と激しく対立しています。
アサド大統領は、シリア軍を出動させスンニ派の反アサド(反政府)勢力を徹底的に弾圧、化学兵器(毒ガス兵器)を使用して非戦闘員の国民を大量殺戮しました。
シリア内戦による戦火(弾圧や虐殺)を逃れ、シリア人口2,200万人のうち、すでに200万人余りが、難民として5つの国境を越えて避難していますので、国連の難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国を越えて急増するシリア難民を放置できず難民救済に乗り出しました。
a0212807_22173760.jpgだが、シリア国内の治安が、悪化する状況下では手の施しようもありません。
シリア内戦をより深刻にさせているのが、アメリカ・EUとロシア・中国の対立つまり大国の権益エゴイズムです。
国連としてシリアのアサド政権に対して制裁決議しようにもロシアと中国は、拒否権を行使してシリア制裁を認めようとしませんでした。
シリアの反アサド・反体制派を応援するアメリカとEUは、業を煮やしてアサド政権=シリア軍が、反アサド反体制a0212807_22182097.jpg派のシリア国民に対し化学兵器(毒ガス)を使用、大量虐殺を謀ったとしてシリア爆撃を決断、現在議会に承認を求めています。
ロシアは、シリアの地中海沿岸に旧ソ連当時からの海軍補給基地があり、さらに反アメリカ・反イスラエルのアサド政権=シリア軍へ大量の武器供給をしています。(下写真:UNHCRのアンゼリーナ・ジョリー特命大使)
a0212807_22185855.png中国は、シリアをめぐるアメリカとロシアの軍事対立を仲裁するどころか、その対立を尻目に中東アラブにおける油田の権益と経済覇権を‘漁夫の利’とばかり虎視眈々と狙っています。
まるで縄張り抗争を煽(あお)り、権益の独占(シマの一人占め)を狙う卑劣な広域暴力団のようです。
シリアと「戦争状態」にあるイスラエルでさえ、シリアの反政府勢力を一つにまとめる組織もなく、新政権を担える有力なリーダーがいないシリアで、もし独裁者アサド大統領がいま失脚しアサド政権が崩壊するシナリオは、望んでいないでしょう。
なぜならイスラエルは、アサド政権の崩壊でシリアが、泥沼の内戦に突入し‘無政府状態’に陥り、シリア軍や治安機関から多数の軍人が離脱し、同時にシリア軍の保有する大量の武器がシリア全土に流出するとアルカイダなど国際テロ組織の軍事拠点となり治安はさらに悪化、イスラム原理主義の新政権が、樹立されることを非常に警戒しています。 (下写真:シリア国境から8㌔のヨルダン領内にある難民キャンプ)
a0212807_2225593.jpg
アメリカは、共産主義国家の中国を中東アラブから追い出し、アラブの覇権を維持するために、アメリカと軍事同盟を結べるサウジアラビアのような現実的イスラム主義の新アラブ国家「シリアナ(=シリア+イラン+イラク)」の建国を支援していくのではないでしょうか。
中東アラブ諸国の原油に依存する日本は、ますますシリア情勢から目が離せなくなりました。
by blues_rock | 2013-09-06 00:13 | 経済/政治/世界 | Comments(0)