マリーゴールド・ホテルで会いましょう シネマの世界<第215話>
今まで見た映画の中から私の‘好み’で選び皆様方にご紹介しています。
映画の起源は、1893年にアメリカのエジソンが、箱の中を覗き込むと動く絵の見える映写機を発明したことに始まります。
1895年には、フランスのリュミエール兄弟が、映像を映写機からスクリーンに映す技術を発明、現在(いま)に至る映画の歴史が始まりました。
20世紀になると無声映画が登場して、セルゲイ・エイゼンシュタイン監督や名優チャーリー・チャップリンなど先駆者たちが、映画を世界中に広めました。
1930年代になるとハリウッドを中心として映画産業が、急速に発展しました。
1945年第二次世界大戦が終了すると映画製作技術もさらに飛躍的に向上し、併せて世の中が平和になったことで映画を大衆娯楽として楽しむ人々が急増、映画の誕生からわずか120年の歴史を考えると驚異的な発展です。
今ではモノ凄い数の映画が、世界中の至るところで製作(撮影)されています。
玉石混交で氾濫している数多の映画の中から“宝石のような”作品に出遭えたときの悦(よろこ)びが、忘れられなくなり今夜も映画を見てしまいました。
今夜紹介します映画「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」(原題:The Best Exotic Marigold Hotel 2013年日本公開)も心を至福で満たしてくれた作品でした。
イギリスの名匠映画監督ジョン・マッデン(1949~)は、高齢ながら存在感のある名女優ジュディ・デンチ(1934~ 79才)ほか6人のイギリス人名優たち(上の映画ポスターで配役をご覧ください)を配役し、7人の高齢者最後の人生を慈愛に満ちた眼差しでユーモアと哀感に溢れた映画にしました。
映画は、インドのジャイプールにある廃墟同然のマリーゴールド・ホテルを舞台に、7人それぞれ他人(ひと)に言えない人生の柵(しがらみ)を抱えながら、イギリスで夢見たエキゾチックで優雅なリゾート・ホテルのはずのマリーゴールド・ホテルの現実に立ち向かい、それぞれ‘新しい人生’に船出するまでの2か月を描いています。
このところ人生に少し疲れ気味で‘ほっこりしたい’方にお薦めしたい映画です。