ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

悪人に平穏なし  シネマの世界<第208話>

a0212807_1521312.jpg2013年2月日本公開の「悪人に平穏なし」は、2012年スペイン映画のアカデミー賞と言われるゴヤ賞において作品賞・監督賞など6部門で受賞を果たしました。
典型的なフィルム・ノワール(犯罪映画)で、監督・脚本は、スペイン映画の中堅監督エンリケ・ウルビス(1962~)です。
私は、エンリケ・ウルビス監督作品を初めて見ました。
ウルビス監督の演出は、クールでリアル重視の戦闘シーンを連続させ、その描写に余計な説明やセリフを入れないので、ストーリーにテンポがあり、見ている側の緊張感を持続させます。
映画は、ウルビス監督が2004年マドリッドで実際に起きた同時多発テロ事件をベースにこの映画の脚本を書き、濃厚なハードボイルド&サスペンス映画に仕立てました。
主人公のサントス(ホセ・コロナド)は、元特殊部隊の精鋭でしたが、作戦中のトラブルで左遷され失踪人捜査課に所属する中年刑事です。
a0212807_1522546.jpg
失意の過去に屈折したサントス刑事は、犯罪捜査中にも関わらずラムをガブ飲みし泥酔して立ち寄った深夜のバーで‘ちょっとした間違い’により、彼はコロンビア人の店主ら怪しげな3人の男女を撃ち殺してしまいました。
a0212807_1525328.jpgサントスが、殺人現場の証拠隠滅を図っているとき、隠しカメラで殺人の一部始終を目撃していた男を取り逃がし、その行方を追っているうち、バーのコロンビア人たちは、麻薬取引の犯罪組織に関わっており、彼らがイスラム原理主義グループの大規模なテロ計画を支援していることが分かりました。
サントス刑事は、自分を調査している女性判事と上司にシレッとウソをつき、失踪人捜査と偽りながら、次第にa0212807_1532057.jpg眠っていた元特殊部隊員の任務意識と正義感に突き動かされるように、犯罪組織とテロ・グループの誰彼一切容赦なく殺して行く野獣のような刑事になりました。
最後のシーン、サントス刑事が、刺され撃たれて全身血まみれになり死んだその姿を見ると彼は、自分の過去にケジメをつける死に場所を長い間探して、やっとその場所に行き着いたような安堵した表情をしていました。
by blues_rock | 2013-08-30 23:57 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)