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心の時空

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ゴーン・ベイビー・ゴーン  シネマの世界<第205話>

俳優ベン・アフレック(1972~)は、役柄に応じた手堅い演技力により映画ファンに高く評価されています。
併せてベン・アフレック35才のとき映画監督としてデビューした2007年作品「ゴーン・ベイビー・ゴーン」は、初監督らしからぬ構成の上手さで映画ファンを驚かせました。
さらに監督第2作「ザ・タウン」(2010 こちら)、第3作「アルゴ」(2013 こちら)と続き、俳優としてのみならず監督・脚本・製作の才能も開花させていきました。
a0212807_2223423.jpgそのアフレック監督が、長編映画初挑戦とは思えないくらいクールな演出センスと表現テクニックで‘4才の少女誘拐事件’をシリアスな社会問題として告発しています。
映画「ゴーン・ベイビー・ゴーン」に、犯罪映画につきものの極悪人は登場しません。
アフレック監督の才能を最も感じたのは、‘4才の少女誘拐事件’という‘犯人はダレか?’のミステリー性と少女誘拐のサスペンス性を同時に進行させながら、映画を見ている者に“本当に正しいことは何か?”を問いかけてきます。
映画でアフレック監督は、いまのアメリカ社会の暗部を映し出し、登場人物たちは、社会の闇の中でうごめきながら本性(エゴイズム)を露わにしていきますが、これは映画の見どころなので、ぜひ映画でご覧ください。
彼らは、お互い自分の立場(正義感・人生観)で「人間の正義とは何か?真の幸福とは何か?」を葛藤させ苦悩させながら、正にタイトルどおり「ゴーン・ベイビー・ゴーン(愛しき者はすべて去りゆく)」でラストに向かいます。
a0212807_22352153.jpgアフレック監督は、映画を見る人たちの心に重い問いかけを残して終わるシリアスな映画ながら、それぞれのシーンを手抜きせず、プロットをきっちり丁寧につないで行きます。
配役は、誘拐された少女を捜索する私立探偵にアフレック監督の実弟ケイシー・アフレック(1975~)、相棒で恋人にミシェル・モナハン(1976~)、少女誘拐事件捜査の指揮をとる実直な警部役をモーガン・フリーマン(1937~)、事件捜査担当ながら強引な捜査をする刑事役をエド・ハリス(1950~)など名優ぞろいのキャスティングだけでもこの映画を見たくなります。
誘拐された少女の母親を演じたエイミー・ライアン(1969~)が、すばらしく警察やテレビカメラの前では「悲劇のa0212807_22355337.jpg母」を演じているものの、実はアルコール依存症でクスリ漬け、男にだらしなく(シングルマザー)、幼い娘に対する育児放棄行為を過去に何度も行い、実の娘が誘拐されているのに警察にも、親族が雇った私立探偵にも非協力的で、ダレがどう見ても母親の資格はないアバズレ女を怪演しています。
エイミー・ライアンは、誘拐された少女の母親の演技が高く評価され、14の映画祭で主演助女優賞を受賞しています。
アフレック監督は、出身のボストンに愛着があるようで「ゴーン・ベイビー・ゴーン」では、映画の舞台をボストンにし、脇役やエキストラとして地元ボストンの人たちを出演させ、続く「ザ・タウン」もボストンを舞台にしたクライム・アクション映画です。 (下写真:映画撮影中のベン・アフレック監督)
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嘆かわしいのは、2007年封切り映画でしたが、ミステリー・サスペンス映画としては、少し地味なうえストーリーがシリアスでシビアな社会問題ということで日本のどの映画会社も配給をパスし封切り当時、日本では劇場未公開の映画でした。(独り言:日本の映画配給会社のレベルは、まだまだ低いなあ‥。)
by blues_rock | 2013-08-26 22:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)