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心の時空

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東ベルリンから来た女  シネマの世界<第202話>

クリスティアン・ペツォルト監督(プロファイル詳細不明)による2012年ドイツ映画「東ベルリンから来た女」(原題 Barbara)の主人公女医バルバラを演じたニーナ・ホスがすばらしく、バルバラの毅然とした知的な表情と美しい佇まいに魅かれ映画に見入ってしまいました。
a0212807_22491829.jpgペツォルト監督は、この「東ベルリンから来た女」でベルリン国際映画祭銀熊(監督)賞を受賞しています。
映画の主題は、人間の信念と矜持‥主人公の女医バルバラは、医師として信念と誇りを持つと同時に、人間としての自由な行動と精神に強い意思を持っていました。
そのため東ドイツの国家秘密警察から常に監視されていました。
ベルリンの壁が崩壊する9年前の1980年夏、バルバラは、東ベルリンの病院で女医として働いているとき、西ベルリンにいる恋人に会いに行こうと出国ビザを申請したことから、突然東ドイツの奥地バルト海沿岸の田舎町にある小さな病院に左遷されました。
田舎町の病院に赴任したバルバラは、人を避け病院の同僚にもツンケンとした態度でひとり古びたアパートの一室で息を潜(ひそ)めるようにして暮らしていました。
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そこにも秘密警察の陰険な役人が、突然押しかけて来て婦人警官にバルバラの身体まで調べさせます。
地味な映画ながらミステリアスなストーリーが、淡々と展開していきますので、映画に緊張感をもたせ、見ていてサスペンス映画のような雰囲気がありました。
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病院の同僚医師アンドレを演じるロナルト・ツェアフェルト(東ドイツ出身の俳優)の存在感がなかなか秀悦で、独裁国家の閉塞感を自覚しつつも、医師としてのプライドを忘れない誠実な医師を好演しています。
バルバラは、医師アンドレもまた秘密警察から自分を監視・密告するよう指示されているはずと猜疑心をもち、
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アンドレの親切や優しさも警戒して受け入れようとしませんでした。
そんなバルバラもアンドレが、医師として病院の患者や病人に分け隔てなく接する医師の信念を忘れない誠実な態度に彼を認めるようになりました。(下写真:自分の亡命資金を患者の少女に渡し亡命させるバルバラ)
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映画「東ベルリンから来た女」に出てくる旧東ドイツの自然豊かな風景や田舎の長閑(のどか)な暮らしぶりは、国家秘密警察が、自国民を監視し、友だちや隣たちもまた陰湿な密告を行ない、東ドイツ共産党の独裁に抵抗する国民は、拉致され強制労働収容所へ収容されるという旧東ドイツの従来のイメージにはない‘人間らしい暮らし’が感じられました。(映画の公式サイトはこちら
by blues_rock | 2013-08-16 22:45 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)