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名優ジョージ・C・スコット「激怒」ほか  シネマの世界<第201話>

名優ジョージ・C・スコット「激怒」ほか  シネマの世界<第201話>_a0212807_2245530.jpg「激怒」は、名優ジョージ・C・スコット(1927~1999)が、1972年に初監督した作品です。
映画は、自分の羊牧場でキャンプしていた牧場主ダン(ジョージ・C・スコット)と一人息子クリスに突然降りかかった理不尽で不幸な出来事をテーマにしています。
羊牧場に隣接するアメリカ陸軍基地のヘリコプターが、飛行移動中に極秘実験していた兵器用神経毒ガス漏れの事故を起こしました。
キャンプ中、頭上を飛行するヘリコプターを目撃しましたダンは、翌朝犬の鳴き声で目を覚ますと息子クリスが鼻から血を流し高熱で苦しんでいました。
名優ジョージ・C・スコット「激怒」ほか  シネマの世界<第201話>_a0212807_2274287.jpgまわりの野原には、血を流し死んでいる羊や痙攣(けいれん)している羊が横たわっていました。
驚いたダンは、クリスを車に乗せ町の病院に運んだものの医師たちに手の施しようがありませんでした。
そのころ軍事施設では、ヘリコプターから極秘で実験中の兵器用神経毒ガス漏れたことの緊急対策と隠蔽工作が、会議されていました。
軍は、地域一帯に戒厳令を発動し、地域住民はおろか病院関係者にも一切情報提供せず、父親のダンも原因不明の病原体汚染と説明され強制入院させられました。
名優ジョージ・C・スコット「激怒」ほか  シネマの世界<第201話>_a0212807_2215672.jpg息子との面会も隔離病棟にいると断られ、軍の管理する病院には、神経毒ガスの開発に関わった医師が送り込まれました。
軍は、密かに毒ガス漏れで汚染された二人を‘人体実験’のモルモットとして死んだ息子クリスの遺体を解剖し、父親ダンの症状の変化を調査していました。
息子クリスの死を知らないダンは、担架に乗せられ移動中にビニールに棄てられているクリスの着衣を見ました。
「何かがおかしい」と感じたダンは、病院を抜け出しました。
基地にある研究所が、密かに実験していた神経毒ガス開発の事実を知り、自分たち親子が、その犠牲になったことを知ったダンは、激怒しました。
自分の命もあとわずかと知るダンは、銃器とダイナマイトを大量に手に入れトラックに積み基地の研究所に向かいました。
激怒したダンを演じるジョージ・C・スコットの狂気を帯びた表情は、怖く迫力があります。
監督のジョージ・C・スコットも初監督とは思えないくらい演出が上手く、要所要所に挿入されるスローモーションのカットやシークェンスの重なり(繋ぎ方)もベテラン監督のようなテクニックを感じました。
名優ジョージ・C・スコット「激怒」ほか  シネマの世界<第201話>_a0212807_22175078.jpgジョージ・C・スコットは、アカデミー賞主演男優賞(1972年「パットン大戦車軍団」)を受賞しても断わり、他の作品で主演男優賞にノミネートされても拒否したりと彼の俳優人生において一度としてアカデミー賞の舞台に立ちませんでした。
名優であり怪優でもあったジョージ・C・スコット出演映画で私が、お薦めしたいのは、「博士の異常な愛情」(1964 こちら)・「パットン大戦車軍団」(1970)・「十二人の怒れる男たち」(1997 こちら)です。
by blues_rock | 2013-08-12 22:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)
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