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心の時空

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春との旅  シネマの世界<第179話>

a0212807_22354483.jpg小林政広監督(1954~)の原作・脚本・監督による2010年作品です。
北海道増毛(ましけ)と宮城県の仙台・気仙沼・鳴子温泉を舞台に高齢者介護(看取り)をテーマにした家族の物語です。
映画「春との旅」のロケ地であった気仙沼と鳴子温泉は、この映画の撮影の後に東日本大地震と大津波で壊滅的な被害を受けました。
この映画のシーンに当時の街の風景が、撮影されており、当時を偲ぶ貴重な映像の記録にもなりました。
a0212807_2236457.jpg映画は、年老いた元漁師役の仲代達矢(1932~)が、とにかくすばらしく、孫娘役の徳永えり(1988~)も‘おじいちゃん’の名優仲代達矢に喰らいつき渾身の力で‘孫娘春’を演じています。
新進女優の徳永えりは、‘春’を演じるに当たって自分を一切出さず、自分の意見も言わないで、小林監督の演出する‘春’に応えるよう必死でしたとインタヴューに答えていました。
a0212807_22361737.jpgその演出は、足の悪い‘おじいちゃん’の後を必死で追う‘春’の歩き方などに見てとれます。
主人公の祖父(仲代達矢)と孫娘(徳永えり)は、本物の祖父と孫娘のようにリアルで、二人に関わる家族を演じる大滝秀治(1925~2012)、菅井きん(1926~)、田中裕子(1955~)、淡島千景(1924~2012)、柄本明(1948~)、香川照之(1965~)など名優たちが、映画のそれぞれ重要なシーンに登場して二人を相手に渋く見事な演技を披露してa0212807_22372227.jpg
います。
二人が、家族を訪ねる途中、気仙沼の空き地で一升瓶を抱え茶碗酒を飲んでいる漁師に住所を尋ねますが、そのワンシーンだけに登場する漁師は、なんと小林薫(1951~)でした。
映画「春との旅」は、良質な監督・脚本・俳優の三つが揃えば、良い映画になることを証明してみせた作品です。
by blues_rock | 2013-06-24 00:22 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)