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心の時空

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a day in my life

空気人形  シネマの世界<第178話>

是枝裕和監督の映画を続けます。
是枝監督は、2009年映画「空気人形」も自ら監督・脚本・編集・製作を担い、映像という表現媒体をフル活用し映画「空気人形」というシュールでファンタジックな映像詩にしました。
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撮影監督李屏賓(リー・ピンビン 「トコッコ」の撮影監督)も、是枝監督の意を受けて、撮影した東京湾沿いのうらびれた下町風景の侘(わび)しい風景に、映画の主人公‘空気人形’に絡む登場人物たちの心に淀む空虚・孤独・寂寥感を重ね合わるように映画「空気人形」を切なくも美しい映像詩にしています。
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「空気人形」とは、ラブドールのこと、男性の性欲を発散させるために作られた空気を入れて膨らます等身大女性人形のことです。
一昔前までは、ビニールで製造されダッチワイフと呼ばれていました。
a0212807_2161033.jpg主人公の‘空気人形のぞみ’役を韓国の若手女優ペ・ドゥナ(1978~)が、抜群の存在感を以って‘心をもった空気人形’に成りきっています。
私が、ペ・ドゥナを初めて見たのは、2005年映画「リンダ リンダ リンダ」( 山下敦弘監督 1976~ こちら)で、韓国からの留学してきた女子高生でガールズロックバンドのヴォーカリスト役として出演していました。
a0212807_217084.jpg是枝監督は、ペ・ドゥナの演じる性処理の道具‘空気人形のぞみ’が、ある朝突然心をもったことで、生きていく寂しさ、哀しさ、切なさ、苦しさを感じ、人の孤独感や喪失感に触れていくというシュールで毒のあるファンタジックな映画を撮りました。
映画のプロローグで‘空気人形’の役割を伝えるシークエンスがあり、その次の朝‘空気人形’は、瞬きを始めます。
彼女は、ゆっくり動き始め、窓の外の水滴に生まれて初めて触れ「キレイ」とつぶやきます。
a0212807_2172439.jpg‥私は空気人形、性欲処理の代用品です ‥私は空気人形、型遅れの安物です‥と‘空気人形のぞみ’(ペ・ドゥナ)のナレーションに続き、レアリズム溢れる切ないラブストーリーが、展開していきます。
是枝監督の演出は、ペ・ドゥナを美しい‘空気人形’に作りあげました。
‘空気人形’の裸体とペ・ドゥナのヌードを重ね合わせたシーンもエロティックですばらしく、‘空気人形’ペ・ドゥナの恍惚とした顔の表情と美しいヌードに見とれてしまいました。
by blues_rock | 2013-06-22 23:13 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)