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心の時空

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歩いても 歩いても  シネマの世界<第177話>

a0212807_0193837.jpg映画「歩いても 歩いても」は、是枝裕和監督が、46才の時に監督・原作・脚本・編集した第6作目の作品です。
1995年33才の時、長編映画第1作「幻の光」で監督デビューして13年、第2作「ワンダフルライフ」(1999年)、第3作「DISTANCE」(2001年)、第4作「 誰も知らない」(2004年)、第5作「花よりもなほ」(2006年)と、ほぼ2年に1作の割合で新作を発表しています。
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私は、第6作の2008年映画「歩いても 歩いても」を見て、是枝監督が映画で表現しようとしているものは、小津安
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二郎監督を尊敬しその影響を受けながらも、是枝監督自らの映画センス(天与の才能)が、渇望する自らのオリ
a0212807_0251695.jpgジナリティにあると思いました。
是枝監督の映画が、カンヌを始め、ヨーロッパ各国や海外で高く評価されるのは、小津安二郎監督の正統な後継者として是枝監督を評価(映画関係者の暗黙知)しているからではないかと私は思っています。
a0212807_026128.jpg「歩いても 歩いても」に映画のストーリーを盛りあげるようなテーマが、特別あるわけではありません。
映画のストーリーは、主人公(阿部寛)が、妻(夏川結衣)と子供(田中祥平)を連れて亡き兄の命日に墓参りをするため、15年ぶりに三浦半島の実家に帰省する電車の中から始まります。
主人公の妻は、前夫と死別し子供を連れての再婚で、彼女が夫の両親と会うのは、その日初めてでした。
実家では、両親(原田芳雄と樹木希林)と妹(YOU)の家族(夫と子供二人)が、待っていました。
映画は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日に全員そろった家族の2日間を描いています。
a0212807_0263191.jpg原田芳雄と樹木希林の老夫婦、原田芳雄と阿部寛の父と息子、樹木希林とYOUの母と娘、原田芳雄と田中祥平の祖父と血の繋がりのない孫と、この‘普通の家族’のなんとも絶妙な心の動きとその間合いをそれぞれ出演者が、是枝監督の演出を良く理解し自然な演技で表現しています
撮影監督は、是枝映画常連の山崎裕監督(1940~)で、カメラを据え家族の団らんを静謐な映像で撮り、ゴンチチの音楽(サウンドトラック)も映画を情感豊かにしています。
「歩いても 歩いても」は、「映画は総合芸術である」ことを証明する秀作なので、私の幾千万の言葉より、この映画を見ていただくことで“映画の芸術性”を他の芸術たとえば絵画や音楽と同じように感動していただければ、是枝映画ファンのひとりとしてうれしい限りです。
by blues_rock | 2013-06-20 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)