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心の時空

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a day in my life

イノセント・ガーデン  シネマの世界<第173話>

いま上映中の新作映画「イノセント・ガーデン」(原題 STOKER)をノーマークにしていたのは、私の不覚でした。
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映画好きの旧友から私にハガキ(彼はIT嫌い)が届き、文面には「映画‘イノセント・ガーデン’を観た。不穏な匂いのサスペンス。凶暴なニュアンスを孕んだセクシャルなラブ・ストーリー。少女の普遍を描くダークなおとぎ話。戦慄と陶酔の結末。見逃すな!」と書いてありました。
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「ANTICHRIS♀(アンチ・クライストこちら )」の時も上映館が1か所(博多駅バスセンター8階にあったリネリーブル博多、現在閉館)で交通アクセスに不便な映画館ということもあり、気にしつつ逡巡していたところ“見逃すな!”の便りが届き、慌てて見に行きました。
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さて「イノセント・ガーデン」ですが、サイコ・サスペンスとミステリーの要素を併せ持った“一級の作品”でした。
サイトでの「イノセント・ガーデン」評(個人の好み)は、‘すばらしい’ の高評価と‘つまらない’ の低評価とのギャップが大きく、映画を見た人の評価は、真っ二つに分かれています。
a0212807_2273714.jpgこの評価ギャップは、映画を見る人の趣味の問題です。
これは、芸術作品の鑑賞すべてに共通しますが、映画も絵画も音楽も詩も‥もしかしたら宗教や思想さらに哲学(生き方)さえも個人の趣味(生理的な好みの問題)と言えるかもしれません。
監督は、韓国の鬼才パク・チャヌク(1963~)、ハリウッドに招かれて撮った最初の作品ですが、チャヌク監督の自分らしい堂々とした演出とシャープな映像ほか映画監督としての才能に正直驚きました。
脚本もすばらしく、書いたのは、ウェントワース・ミラー(1972~)で「白いカラス」(2003)に出演、主人公の青年a0212807_2283220.jpg時代を名演した俳優ですが、これには驚きました。
製作をリドリー&故トニー・スコット兄弟監督が担い、撮影監督はパク・チャヌク監督の盟友チョン・ジョンフン(詳細不明)です。
主人公のインディア・ストーカーにミア・ワシコウスカ(1989~)、インディアの母にニコール・キッドマン(1967~)、謎の多い叔父にマシュー・グッド(1978~)、ストーカー家の秘密を知る大叔母にジャッキー・ウィーヴァー(1947~)と出演者も名優ぞろいです。
私が、いつも申しあげている‘良質な映画’に必要な条件(名監督・優れた脚本・名優)を満たし、さらに製作者とa0212807_22113778.jpg撮影監督にも一流の才能が結集したとなると‘傑作映画誕生’の化学反応が、起きないはずはありません。
演出・映像・道具立てのスペシャリストたちが、美と恐怖のサイコ・サスペンス・ミステリー映画を創りあげました。
映画の冒頭(プロローグ)で、インディアが、「私の耳はとても鋭く、目は誰にも見えない遠く小さなものを捉える。 この感覚が欲望を呼び覚ます。 満たされたい欲望を」とつぶやきます。
a0212807_2228376.jpg映画は、美しく静謐な映像ながら、ヒンヤリした冷気をおびたエロチックな緊張感に包まれており、見ている者を次第にサイコ・サスペンスとミステリーの恐怖に引きずり込んで行きます。
ミステリーの伏線が、映画のプロローグにあり、エピローグからプロローグの冒頭シーンにカット・バックするところなど、チャヌク監督が「イノセント・ガーデン」で見せた映画のストーリーを映像のカットとシークエンス(カットの連続)の編集で構成していく、そのセンスと技術は、すばらしく感動しました。
a0212807_22332155.jpgインディアが、18才になり、叔父から贈られたハイヒールを履いたその日、インディアは、自分の魂と欲望を解き放ちます。
インディアは、それまで同じデザインの靴だけを履き、自分の成長に合せて靴のサイズだけを変えていました。
原題の「STOKER(ストーカー)」は、インディアナのファミリー・ネームです。
これ以上はネタバレになりますので、控えさせていただきますが、一級のサイコ・サスペンス&ミステリー映画ですので、映画好きの方に自信をもってお薦めいたします。(オフィシャル・サイトはこちらです。)
by blues_rock | 2013-06-10 12:05 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)