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心の時空

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リンカーン  シネマの世界<第164話>

19世紀半ばまで自由と博愛を国是とする民主主義国家のアメリカに、国家公認の‘奴隷制度’が、ありました。
当時アメリカ国内には、300万人余の黒人奴隷がおり、人身売買されていました。
a0212807_037108.jpgとくに、アメリカ南部の大農場主は、農業生産の労役に、富裕層の家庭では、家事労働のために黒人奴隷を酷使していました。
第16代大統領エイブラハム・リンカーン(1809~1865)と言えば、「アメリカ合衆国憲法修正第13条による‘奴隷解放’宣言」と「人民の人民による人民のための政治を地上から絶滅させない」のゲティスバーグ演説(1863年11月)が、あまりに有名で、それを以って政治家の理想として崇められています。
さて、映画「リンカーン」は、リンカーン大統領が、南北戦争さ中の1865年、アメリカ合衆国の和平と自分の理念のために、政治力を駆使しながら‘奴隷制度廃止’法案である「アメリカ合衆国憲法修正第13条」(参考:下に実物写真とその条文の日本語訳を紹介)をアメリカ議会下院で可決させ、さらに南北戦争を終らせたあと、ワシントンDCの劇場内で南部過激派のテロにより暗殺されるまでの数カ月を描いています。
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それは、まさにアメリカ国家分裂の危機下にあった内戦‘南北戦争’を終結させたわずか5日後のことでした。
監督は、巨匠スティーブン・スピルバーグ(1946~)、主演は、名優ダニエル・デイ=ルイス(1957~)で、このa0212807_048811.jpg映画でアカデミー賞史上初となる3度目の‘主演男優賞’を受賞しました。
因(ちな)みに、ダニエル・デイ=ルイスが、過去にアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品は、「マイ・レフトフット」(1989) と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)で、ともに見応えのある名演技を披露しています。
a0212807_049393.jpg「リンカーン」も入魂の演技で‘名優の名演技’を見たい方にお薦めの映画です。
共演者では、個性的な名優トミー・リー・ジョーンズ(1946~最下段写真)が、存在感を示し、リンカーン大統領を陰で支える強かな老下院議員の役で、アクの強い演技を披露、下院で憲法修正第13条の法案が、難産の末成立すると法案の原本を議長から借りて自宅に持ち帰ります。
そのオチは、ぜひ映画をご覧いただきニヤリとしてください。
リンカーン大統領の奴隷解放とそれをめぐるアメリカ南北戦争の史実を描いた映画なのでぜひ映画館で楽しんでいただきたいと思います。
a0212807_0543833.jpg第1節 奴隷制もしくは自発的でない隷属は、アメリカ合衆国内およびその法が及ぶ如何なる場所でも、存在してはならない。 ただし犯罪者であって関連する者が正当と認めた場合の罰とする時を除く。
第2節 議会はこの修正条項を適切な法律によって実行させる権限を有する。
余談ながら、ミシシッピ州議会が、この憲法修正第13条を批准したのは、なんと130年後の1995年でした。
黒人の奴隷解放には、熱心なリンカーン大統領でしたが、アメリカ中西部を移動しながら狩猟生活を続けていた先住民のインディアン民族に対しては、保留地での生活を強制、反対する部族は、徹底して排除し大量虐殺する政策を実行しました。
a0212807_0552857.jpgつまり、アフリカから奴隷商人によってアメリカに連れて来られた300万人余の黒人奴隷は、北部の新興工業地域の資本家にとっても、南部の大規模農業地域の地主にとっても、最も手っ取り早い“安価な労働資源”で、その労働資源の争奪戦こそが、南北戦争でした。
リンカーンは、アメリカ北部23州の工業地域を地盤とする共和党の党首で、自由貿易主義の大統領、一方アメリカ南部11州の農業地域地主の利益を擁護する民主党は、黒人奴隷を安価な労働資源として確保しておきたい
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奴隷制度存続の保護主義で、その価値観が激突、南部諸州連合の独立を阻止するための戦争が、アメリカの南北戦争でした。
by blues_rock | 2013-05-12 00:35 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)