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心の時空

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画家と庭師とカンパーニュ  シネマの世界<第153話>

ジャン・ベッケル監督(1933~)は、カメラをフランスの田舎(カンパーニュ)に据え、自然の光が、溢れる中で、フランス庶民の普通の暮らしや市井の人々の人生模様を詩情豊かな映像にして見せてくれる映画の達人です。
2007年のフランス映画「画家と庭師とカンパーニュ」もジャン・ベッケル監督秀作のひとつです。
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この映画もジャン・ベッケル監督の脚本・監督による味わい深い作品映画で、老年に差しかかった中年男2人の友情と人生模様を牧歌的なフランスのカンパーニュを舞台に描いた秀作映画です。
映画は、画家(ダニエル・オートゥイユ)が、パリでの安定した画家生活に疲れ、生まれ故郷の田舎(カンパーニa0212807_1939781.jpgュ)に帰り、母親の遺した旧い屋敷で暮らし始めるところから始まります。
長い間放置されて荒れ果てた広い庭を手入れするために庭師を雇うことにしました。
田舎道をミニバイクで面接に来た庭師((ジャン=ピエール・ダルッサン)は、小学生のころ一緒にイタズラして遊んだ幼友だちで、2人は、数十年ぶりの再会でしたが、すぐに意気投合、お互いを‘キャンバス(画家)’、‘ジャルダン(庭師)’と呼び合うことにしました。
a0212807_19403637.jpg元鉄道員であったジャルダンは、「庭師になりたい」の長年の夢が叶い、念願の庭師として週3回キャンバスの荒れた庭の手入れに精を出し、スランプに悩んでいたキャンバスも庭に出て絵を描き始めました。
その合間に2人は、自分の人生に起きた多くのことを語り合いました。
穏やかなある日、アトリエで絵を描いていたキャンバスが、菜園で水やりしているジャルダンを見ていると、突然彼が、苦痛に顔を歪め、畑に倒れ込みました。
‘キャンバス’役のダニエル・オートゥイユ(1950~)と‘ジャルダン’役のジャン=ピエール・ダルッサン(1953~)a0212807_142110.jpg
2人の年老いた中年男の素朴な実在感が見事です。
フランスの穏やかな自然溢れる田舎(カンパーニュ)で、老年を迎えた画家と庭師は、庭で何気なくお互いの人生を語るうちに、心を許し合う親友となりましたが、そんな平穏な日々は、長く続きませんでした。
キャンバスは、親友ジャルダンを偲びながら、彼が、庭師として丹精込めて育てた菜園に水を撒いていると自分の内に画家として創作のインスピレーションを感じるのでした。
a0212807_145664.jpg時が流れパリの画廊で画家キャンバスの個展が、盛大に開催されていました。
画廊の壁に掛かった絵には、庭師ジャルダンのミニバイク、庭仕事で履いた黄色い長靴、菜園で採れた野菜など‥親友ジャルダンの愛した品々やカンパーニュの風景が、愛おしく描かれていました。
by blues_rock | 2013-04-19 00:34 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)