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心の時空

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裏切り者  シネマの世界<第151話>

a0212807_1346584.jpgアメリカの若手映画監督のジェームズ・グレイ監督(1969~)が、2000年に弱冠31才で共同脚本に参加し監督した作品です。
当時インディペンデント系で新進気鋭の映画監督であったグレイ監督ですが、「裏切り者」の演出に気負いはなく、撮影(映像)も実に地味でベテラン監督の風格がありました。
「裏切り者」の原題は、‘The Yards’で映画では、地下鉄の操作場を意味しています。
映画は、一人の青年(マーク・ウォルバーグ)が、刑務所から仮釈放されて出所するところから始まります。
以前、悪友たちと自動車窃盗を働き、彼一人逮捕されましたが、仲間の名前を一切言わず自分一人で罪をかぶり服役していました。    (下写真:シャリーズ・セロンこの映画でも、すばらしい女優ぶりを発揮しています)
a0212807_13502516.jpg刑務所から出所したばかりの青年を窃盗仲間の親友(ホアキン・フェニックス)が、迎えました。
親友の恋人は、青年のいとこ(シャーリーズ・セロン)ですが、青年と彼のいとことの間に昔何かあったことは、二人が、時々見つめ合う視線で分かります。
この3人の若者(皆な映画出演当時20代半ば)が、内面にそれぞれ抱える心情を演技で表現するシーンは見どころです。
a0212807_13514854.jpg青年は、病弱な母親(エレン・バースティン)を愛し、気丈な母は、いつも自分の病気より愛する息子のことを心配しています。
彼は、母の妹(フェイ・ダナウェイ)の再婚相手で、義理の叔父(ジェームズ・カーン)の会社に就職し、母のために早く社会復帰しようと努めました。
この叔父の会社で、親友もまた社長の忠実な部下として働いていました。
a0212807_13524739.jpg青年が、深夜の地下鉄操車場で発生した殺人事件に巻き込まれ、ファミリー・ビジネスの犯罪(汚職と不正)を知りました。
信じる人には、心を許し実直な彼でしたが、彼らの私欲のため裏切られ、殺人の濡れ衣を着せられたことから、今度は彼が「裏切り者」になるクライム&社会派サスペンス映画です。
a0212807_13531547.jpgこの映画の登場人物には、役柄の「一般名詞」のほうが、映画の主題を明確にします。
登場人物の人物描写をリアリティあふれる演技で応じた俳優たちの緊迫感も見どころの映画です。
この映画の冒頭と最後に登場する地下鉄車内のシーンは、何気ないカットですが、若手ながらグレイ監督のセンスを感じました。
「裏切り者」は、映画好き向けの映画です。
by blues_rock | 2013-04-15 00:45 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)