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心の時空

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天井桟敷の人々  シネマの世界<第150話>

フランス映画の傑作「天井桟敷の人々」は、イタリア映画「無防備都市」と同じ1945年の公開で、パリで封切られると映画ファンに大好評で、ヨーロッパ各国の映画評論家からも称賛され1946年のヴェネチア国際映画祭で特別賞を受賞しました。                   (バチストのジャン=ルイ・バローとガランスのアルレッティ)
a0212807_1331626.jpg1979年セザール賞特別名誉賞を受賞、フランス映画史上ベストワンの映画になりました。
「天井桟敷の人々」の日本公開は、ヨーロッパに遅れること7年後の1952年でした。
映画の公開以降、次第に日本の映画ファンの心をつかみ、1980年キネマ旬報(1919創刊で世界最古の映画専門誌)の評論家たちが選んだ歴代外国映画ベスト1に選ばれました。
今や「天井桟敷の人々」は、往年の映画ファンなら一度は見ている映画として絶賛され、映画史に燦然と輝いています。
「天井桟敷の人々」は、第2次世界大戦の戦時下にも関わらず、映画の製作期間に3年3か月をかけ、製作費の16億円も当時としては、大がかりで破格の撮影でした。
映画は、「犯罪大通り」と「白い男」の2幕構成で3時間10分と長編です。
主人公は、無言劇の役者バチスト(ジャン=ルイ・バロー)と、バチストが恋をする女芸人ガランス(アルレッティ)の二人ですが、二人に関わる女たらしのシェークスピア俳優フレデリック(ピエール・ブラッスール)、無頼の詩人a0212807_1364135.jpgで犯罪者のラスネール(マルセル・エラン)も映画の展開で、重要な役回りを演じます。
映画の中に群衆劇のようなシーンが、何度かあり、このシーンを撮るために、大がかりな大通りセットを作り、大勢の人たちを動員して撮影した「犯罪大通り」のシークエンス(カットの連続)は、映画の見どころの一つです。
私は、見る映画の選択に「監督・脚本・俳優」の 三つを判断基準にしています。
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この私の基準からすると「天井桟敷の人々」は、三位一体の見事な映画です。
監督は、フランスの名匠マルセル・カルネ監督(1906~1996)、脚本が、詩人のジャック・プレヴェール(1900~1977、シャンソン「枯葉」の作詞者として有名)、俳優は、ジャン=ルイ・バローほか名優たち、「天井桟敷a0212807_13104490.jpgの人々」は、傑作になるべくしてなった映画と言えるでしょう。
とくに、ジャン=ルイ・バローの無言劇=パントマイムの美しさには、いつ見ても感動します。
さらに、この映画の重要な出演者たちが、映画の原題でもある‘Les enfants du paradis’(天国の子供たち)‥劇場入場料の一番安い席で、酒を飲みながらヤジを飛ばし、まるで子供のように大騒ぎして観劇する「天井桟敷の人々」です。
何回見ても倦きのこない映画なので、ある時は、劇中に溢れる名セリフの数々を楽しみ、またある時は、登場人物(俳優)たちの表情に集中して見るのも一興です。
by blues_rock | 2013-04-13 00:50 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)