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心の時空

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郵便配達夫は二度ベルを鳴らす  シネマの世界<第139話>

イタリアのルキノ・ヴィスコンティ監督(1906~1976)とアメリカのボブ・ラフェルソン監督(1933~)、この二人の映画監督は、アメリカの作家ジェームズ・M・ケイン(1892~1977)の犯罪小説「郵便配達夫は二度ベルを鳴らす(1934年発表、原題:The postman always rings twice)」を二人それぞれ独自の感覚で脚色し見応えのあるハードボイルド映画にしました。    (モノクロ:ルキノ・ヴィスコンティ監督、カラー:ボブ・ラフェルソン監督)
a0212807_2215296.jpg1934年に小説が、発表されてから「郵便配達夫は二度ベルを鳴らす」は、今までに4本の映画が製作されました。
私は、原作の小説を読んでいないので、筋立ての細かいところは分かりませんが、主人公の流れ者フランクと食堂の女コーラの欲望に絡んだ殺人事件をストーリーにした犯罪小説です。
犯罪の背景にある登場人物たちの欲望を露わにした心理劇は、ハードボイルドとサスペンス双方を兼ね備えた映画として大いに楽しめます。
流れ者のフランクは、ふらりと立ち寄った田舎町のガソリンスタンド兼食堂の主(あるじ)で人の良い初老の男とa0212807_2273638.jpg知りあい、彼の妻で若いコーラに出会います。
若いコーラに一目惚れした彼は、彼女の夫である店主に仕事を求め、自動車修理の仕事にありつきました。
食堂を切り盛りし、忙しく台所で働くコーラでしたが、時どきフランクを見る彼女の視線を彼は見逃しませんでした。
フランクは、コーラの夫の目を盗んで彼女に言い寄り、彼女の夫が、外出している時を見計らい性的関係を持つようになりました。
フランクにとってコーラは、性的欲望を満たす相手でしたが、コーラと関係を続けるうちに、彼女を自分の意のままに扱う彼女の夫が、妬ましくなりました。
a0212807_22365272.jpgやがてコーラも若いフランクに魅かれ、夫が煩わしくなりました。
コーラは、フランクに夫殺しを唆(そそのか)し、二人結託し自動車事故に見せかけてコーラの夫を殺しました。
警察は、自動車事故として処理しましたが、フランクは、コーラの夫が、保険に加入していたことを知りませんでした。
この映画は、イタリア映画の巨匠ルキノ・ヴィスコンティの初監督作品です。
1942年に発表された「郵便配達夫は二度ベルを鳴らす」は、イタリア映画のネオシアリズモ作品の先駆けとして重要な意味を持ちます。
ボブ・ラフェルソン監督は、1981年にフランク役をジャック・ニコルソン(1937~)、コーラ役をジェシカ・ラング(1949~)でリメイク、演技派俳優二人の激しい愛憎の心理表現は、迫力がありリアリティに溢れていました。
a0212807_22592945.jpg名監督二人が、同じ原作をそれぞれ個性ある独自の脚色と映像で撮影した「郵便配達夫は二度ベルを鳴らす」のような映画を見るのも“映画の醍醐味”で、映画の楽しみ方の一つと思います。
原作者のジェームズ・M・ケインは、この小説のタイトルに迷っているとき、出版社からの手紙を届ける「郵便配達夫が2度ベルをならす」ことから、このタイトルに決めたのだとか、映画に郵便配達夫は、まったく登場しないのに「郵便配達夫は二度ベルを鳴らす」というミステリアスなタイトルがシャレています。
by blues_rock | 2013-03-09 00:10 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)