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心の時空

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ロシア映画の万能人 ニキータ・ミハルコフ  シネマの世界<第136話>

ニキータ・セルゲーヴィチ・ミハルコフ(1945~)は、ロシアの映画製作者・監督・脚本家にして俳優です。
「太陽に灼かれて」(1994)は、スケールの大きな社会派(ソ連共産党と独裁者スターリン批判)映画であり、ストーリーの根底に恋愛があり、純粋な家族愛の物語でもあります。
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ニキータ・ミハルコフ監督自ら主人公の一人を演じ、味わい深い名演技を披露してくれました。
映画主演と同時に、この映画の製作・監督・脚本を担うその才能は、万能の映画人と言って良いでしょう。
「太陽に灼かれて」の中で重要な役回りをする幼い娘ナージャ役をミハルコフ監督の愛娘ナージャ・ミハルコフがa0212807_2384544.jpg演じ、屈託のない可愛い笑顔は、映画の重要なポイントなので、その笑顔だけでもすばらしい名演技と思いました。
「太陽に灼かれて」は、1994年カンヌ国際映画祭でグランプリ(パルムドール賞)とアカデミー賞外国語映画賞を受賞しました。
映画のシークエンスを作るカットや編集も巧みでミハルコフ監督の意思が、隅々にまで行き渡っていることも見ていて分かりました。
「十二人の怒れる男」は、旧いアメリカ映画の名画「十二人の怒れる男」をミハルコフ監督が、脚色しリメイクした映画です。
a0212807_2314221.jpg「十二人の怒れる男」のオリジナル脚本は、心理劇として見事なシナリオなのでアメリカでもテレビ放送用映画としてリメイク(こちら)され、日本では舞台劇として演じられています。
「戦火のナージャ」は、「太陽に灼かれて」から16年後に続編として製作・撮影された悲惨な戦争映画で父と娘の強い愛情物語です。
当然主人公の戦争に翻弄される女性ナージャを大人になったナージャ・ミハルコフが、それぞれの壮絶なシーンで真に迫る演技で堂々と演じています。
映画の最後、血に染まり砕け散った手足が散乱する雪の戦場で従軍看護婦ナージャは、一人の瀕死の19才の兵士を介抱していました。
自分が助からないことを知る兵士は、ナージャに「いままで女性の胸を見たことがない。キスをしたこともない。死ぬ前に見せて欲しい。お願いだ。」と懇願しました。
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ナージャは、厳寒の戦場で、防寒服を脱ぎ上半身裸になって、死んでいく兵士に自分の乳房を見せました。
カメラは、このラストシーンをゆっくり曳きながら撮り続け、この長いシーンの何んと哀しく切ないことか、このシーンを見続けていると理不尽な戦争への怒り、無情さ、悲惨さにやりきれなくなりました。
by blues_rock | 2013-03-02 22:54 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)