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心の時空

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ライフ・オブ・パイ~トラと漂流した227日  シネマの世界<第129話>

名匠アン・リー(李安)監督の最新作(2012年)映画「ライフ・オブ・パイ~トラと漂流した227日」を見ました。
アン・リー監督の映画「ブロークバック・マウンテン」(2005)・「ラスト、コーション」(2007)で、リー監督の‘映画づくり’の巧さは、証明済みなので、新作の「ライフ・オブ・パイ」も大いに期待していました。(予告編はこちらa0212807_1411343.jpg
日本公開のサブタイトルに「トラと漂流した227日」とオリジナルにはない余計なキャッチコピーがあること、映画予告編(こちら)には、少年と猛獣(ベンガル虎)との227日に及ぶ長い漂流ばかりをファンタジックな寓話(ディズニー映画のおとぎ話)のように紹介していること、どの映画館も3D吹替版の上映が多いことなどが、気になりこの手の映画は苦手なのでしばらく躊躇していました。
それでもアン・リー監督作品なのでどうしても見たく2D(普通の映像)字幕版を上映している映画館(大野城ワーナーマイカル)を探しました。
映画のストーリーは、「ライフ・オブ・パイ(パイの人生)」の著者が、パイの奇妙な奇跡的な人生に興味をもち、大人になった彼に会いに行きます。
パイは、信じられないだろうが‥と前置きし著者に自分の子供の頃のインドでの暮らしから摩訶不思議な‘トラと227日間漂流した奇跡の体験’を自らの信仰(仏教・キリスト教・ヒンズゥ教・イスラム教)を交え静かに語り始めました。
著者は、パイの話を聞き感動、パイがトラとの漂流で生きる命の尊さを思い知り宗教的な体験としてトラとの漂流を昇華するまでの話を聞き出しました。
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映画の70%は、救命ボートに同乗したパイ少年と獰猛なトラとの227日間に及ぶ太平洋漂流なので、大海原でのファンタジックなシーンもありますが、さすがアン・リー監督と感動する最新にして最高の映像表現技術を駆使してリアリズム描写に徹しています。
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パイは、太平洋を獰猛な肉食のベンガルトラと漂流するという絶体絶命の中、生きながらえるだけでなく、トラから襲われないために、つねにトラの脅威を身近に感じることで緊張がみなぎり、自らの衰弱を防ぎ、生命力を保とうとしました。
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原作は、ヤン・マーテル(1963~カナダの小説家)の「パイの物語」(2001)で世界的に権威のあるイギリス文学賞で長編小説に与えられるブッカー賞、フランスのゴンクール賞を受賞しています。
パイが大人になり、あのトラは自分の守護神だったのかもしれないと思うようになりました。
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VFX製作を担当したアメリカのR&H社もアン・リー監督のリアリズムを求める厳しい映像表現に応えています。
R&H社は、アン・リー監督と共同でリー監督の故郷台湾に最新のVFXセンターを設立しました。
才能ある映画監督、奇想天外な脚本、VFXを駆使したリアリティある映像で本物の映画を見たいものです。
by blues_rock | 2013-02-10 01:35 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)