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心の時空

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十二人の怒れる男たち、評決の行方  シネマの世界<第127話>

法廷の陪審員12人が、裁判所の一室に集まり、裁判の審問結果をふまえ、父親殺しの第1級殺人罪に問われた容疑者(犯人)について有罪・無罪の審判を陪審員12人が、全員一致するまで審議するストーリーは、心理劇のような緊張感に満ち、見る者をぐいぐい引きつけていくおもしろい映画でした。
a0212807_20542067.jpgウィリアム・フリードキン監督(1939~)のメガホンで、テレビ放送用の映画にリメイクされ、1954年のオリジナル版と同じ脚本で撮影されました。
フリードキン監督の映画「十二人の怒れる男たち、評決の行方」(1997)で使われたオリジナル脚本は、法廷を舞台にした心理劇の不朽の名作と称賛されています。
1971年「フレンチ・コネクション」、1973年「エクソシスト」など面白い映画を多数監督しているベテランのフリードキン監督(1939~)の演出は、この映画でも冴えていました。
「十二人の怒れる男たち、評決の行方」に登場する裁判の陪審員に選ばれた12名の男たちは、出自、人種、職業、地位、年齢、さらに人格も性格も違う人たちでした。
陪審員1番は、コートニー・バーナード・ヴァンス(1960~)が、有能な陪審員のリーダー(議長)役を演じています。
陪審員全員の意見調整を行いなから、全員一致の“ギルティ(有罪)orノットギルティ(無罪)”にまとめるため粘り強い努力をします。
中学校の体育教師で、フットボールのコーチをしています。
陪審員2番のオジー・デイヴィス(1917~2005没88才)が、臆病な銀行員役を繊細に演じています。
a0212807_20592693.jpg陪審員3番は、名優ジョージ・C・スコット(1927~1999没72才)が、高圧的で独善的な意見を述べる会社経営者役を演じ、内面で家族(息子)と上手く行かない苦悩を名演しています。  (上写真:12人の陪審員、左上から陪審員1番~6番、下左から陪審員7番~12番)
陪審員4番のいつも冷静沈着で穏やかな株式仲買人をドイツの俳優アーミン・ミューラー=スタール(1930~)、陪審員5番でスラム育ちの工場労働者をドリアン・ヘアウッド(1950~)、陪審員6番の塗装工をジェームズ・ガンドa0212807_2103212.jpgルフィーニ(1961~)、陪審員7番で容疑者の審判に関心が薄く、審議を面倒臭さがり、ヤンキースの試合開始時間ばかり気にしているサラリーマンをトニー・タンザが、それぞれの人柄を上手く演じています。
陪審員8番は、この映画の中心人物で、名優ジャック・レモン(1925~2001没76才)が演じ、裁判の審問結果そのものに疑念を抱き、12人の陪審員の中でただ1人無罪を主張、有罪とする11人の陪審員の意見に反論し、1人ずつ自分の賛同者を増やしていきます。
a0212807_211718.jpgその明晰で論理的な頭脳で事実を検証していく老建築士を演じるジャック・レモンの熟練した見事な演技は、映画史に残る名優であることを証明しています。
陪審員9番の人情味に溢れ、洞察力に長けている老人をヒューム・クローニン(1911~2003没92才)、陪審員10番の偏見に満ちて居丈高な自動車修理工場のオーナーで、差別意識の強い男性をマイケルティ・ウィリアムソン(1960~)が好演、陪審員11番のユダヤ人移民で時計屋の聡明な男性をエドワード・J・オルモス(1947~)、陪審員12番の広告代理店で働く宣伝マンで他人の言動に左右されやすく、自分の意見がない男性をウィリアム・L・ピーターセン(1953~)と、12人の名優たちによる舞台劇を見ているようで、各シーン緊迫感があり、演劇好きの人は、大いに楽しめること請け合います。
by blues_rock | 2013-02-03 00:17 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)