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心の時空

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エージェント・ハミルトン~祖国を愛した男  シネマの世界<第122話>

a0212807_019756.jpgスウェーデン国家情報機関の諜報員(スパイ)ハミルトンを演じるのは、ミカエル・パーシュブラント(1963~)です。
「未来を生きる君たちへ」(2010)の中で、理不尽な暴力に対し真の強さをわが子に教えるため頑なに非暴力を貫く父親と同時にアフリカ紛争地の難民キャンプで人道的立場を貫き医療救済活動を行なう医師を名演していました。
2012年のスウェーデン映画「エージェント・ハミルトン~祖国を愛した男」では、非情な諜報員(スパイ)を演じています。
監督は、キャスリーン・ウィンドフェルドとクレジットされていますが、グーグルで検索してもキャスリーン・ウィンドフェルドのプロファィルは見つかりませんでした。
キャスリーンの名前から推察すると女性監督ではないかと思いますが、映画のハード・ボイルトなタッチは、強靭な男っぽさを感じ、展開のテンポの良さに脱帽です。
映画は、スウェーデン政府の特命を受けた諜報員ハミルトンが、主人公で、スウェーデン政府の中に潜み、ロシアの武器商人に極秘情報を流している高官を見つけ出し、アフリカの内戦国ソマリアにスウェーデン製最新武器を密売している男の正体を暴き、凶悪なテロを阻止するa0212807_0201311.jpg
サスペンス・アクション映画ですが、実はこの映画そう単純ではありません。
国境を越えた疑心暗鬼の諜報活動に‘法律や人命’など石コロの重さもなく、このスパイサスペンス映画を見た方も「映画の中のこと、まさか?」と思わないで、現在アラブやアフリカで発生しているテロ事件の現実やまったく証拠を残さずに秘密裏に行なわれている国家インテリゼンス(諜報活動)の事例としてこの映画のソマリアは参考になるでしょう。
a0212807_022760.jpg映画から話を転じて、先日北アフリカのアルジェリアで発生したイスラムテロ武装集団による天然ガス施設人質誘拐事件の犠牲者の中に多くの日本人犠牲者が含まれていました。
イスラムではない海外の先進国数企業の社員は、価値観のまったく違う異国で、それも陸の孤島のような砂漠の中にあるガスプラント施設を重装備の護衛もなく警備程度で働き生活していたのですから相当不安であったろうと推察します。
a0212807_0223581.jpgイスラム国家アルジェリア軍のイスラム教テロ武装集団への有無を言わせぬ攻撃は、反政府テロの恐怖と政府転覆に常に怯える政情不安の内戦国家の特徴です。
日本政府が、アルジェリア政府に‘外交ルート’の情報連絡や人質の‘人命尊重’を要求したのは当然にしても手に入る情報は何もないでしょう。
現在多くの日本企業の社員が、リスクの高い海外の紛争危険地域で働いています。
a0212807_0403978.jpg紛争地の治安は極めて悪く、軍の規律は乱れ、政府機関では汚職が氾濫し何事もカネで解決されています。
今回のアルジェリア人質誘拐テロ事件では、天然ガス施設の警備員と従業員数名による事件の手引きがあったと報道されていました。
海外のビジネスで儲けている企業が、テロ防止のため高コストのリスクを負うのは当然としても平和な日本国内で暮らす国民もそろそろ世界の現実としっかり対峙して国の未来のために「今ここにある危機」へのリスク管理を強化する必要があると思います。
映画「エージェント・ハミルトン~祖国を愛した男」の紹介が、途中から日本国の弱点であるインテリジェンス(情報活動)の話になってしまいました。
いつもテロの恐怖に曝(さら)されているヨーロッパ諸国のテロに対する政治的なポリシーには、確固たるものがあり、これは映画ながらアルジェリアで発生したフランス航空機ハイジャックテロへのフランス政府の戦略は、「フランス特殊部隊GIGN~エールフランス8969便ハイジャック事件」(こちら)をご覧になると分かりますが、テロ犯人たちとの心理戦と容赦ない攻撃でした。
by blues_rock | 2013-01-25 00:18 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)