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心の時空

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a day in my life

みなさん、さようなら  シネマの世界<第110話>

2003年カナダ映画でエイプリの効いた秀作「みなさん、さようなら」の原題‘Les Invasions barbares’(フランス語)は、「蛮族の侵入」という意味です。
カナダのドゥニ・アルカン監督(1941~)が、脚本を書き監督したクールなコメディ・センス溢れるいい映画です。
a0212807_20594210.jpg主人公の老人レミ(レミー・ジラール)は、歴史を教える大学教授でしたが、蛮族の侵略を受け(末期ガンのこと)陰気な相部屋のベッドの上で、人生最期の日々を暗い気持ちで過ごしていました。
ロンドンで暮らす一人息子のセバスチャン(ステファン・ルソー)は、母ルイーズ(ドロテ・ベリーマン)に苦労ばかりかけている頑固で偏屈わがままな父親レミに反発し子供のころから‘あんな大人(男)になりたくない’と思いながら生きて来ました。
セバスチャンは、ロンドンの証券会社で成功、敏腕ディーラーとして活躍していました。
ある日、モントリオールの母ルイーズからセバスチャンに電話が入りました。
「お父さんの病気は悪く、余命も長くない。いまのうちに会って欲しい。そしてお父さんの部屋を楽しい病室にしてあげて欲しい。」と懇願されました。
大学教授で社会主義者のレミは、若い頃から古典の歴史書・思想書やワインを愛し女好きで浮気性、女グセの悪い夫でしたが、彼の妻ルイーズ(ドロテ・ベリーマン)は、そんな夫を見放すことなく連れ添って来ました。
a0212807_2102246.jpgそんな母を愛するセバスチャンは、母の願いを聞き入れモントリオールへ帰りました。
これまでさんざん家族に迷惑をかけてきた父親のレミは、息子セバスチャンの人生にとって‘父のようになるまい’という反面教師でした。
セバスチャンは、そんな父親のレミを自分の広い交友関係(コネ)を生かして医療環境の良い、末期ガン治療設備の整ったアメリカの病院へ移そうとしますが、当のレミは「主義に合わない」の一言で、それを拒否しました。
息子セバスチャンは、母親ルイーズの願う「お父さんの部屋を楽しい病室にして欲しい。」という気持ちを反りのa0212807_211836.jpg合わない頑固で偏屈な父親レミに伝えることができるのか‥レミは、‘蛮族の侵入’を受けた体の痛みと感覚のマヒで、すでに死を覚悟しているものの生への執着から死を受け入れることができません。
映画に出てくる父親レミの‘憎まれ口’と‘当意即妙’の会話にユーモアとエスプリがあり、2003年アカデミー外国語映画部門賞、カンヌ国際映画祭脚本賞・女優賞(セバスチャンの幼なじみナタリー役、マリ=ジョゼ・クローズ)を受賞しています。
by blues_rock | 2012-11-30 00:46 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)