告発のとき シネマの世界<第107話>
映画は、元軍人の父親(トミー・リー・ジョーンズ)が、突然軍を無断離隊し失踪した次男の行方を追うところから始まります。
彼は、長男を軍事演習の事故ですでに失くしていました。
失踪する直前、次男は、イラクから憔悴し切った悲痛な声で父親に電話をしていました。
イラクから帰国した次男が、陸軍所属部隊から無断離隊し行方不明になったと軍から父親に連絡が入りました。
不審に思った父親が、警察に捜索願を申請しても、軍警察と地元警察は、捜査権限でいがみ合うだけで捜査する気はありませんでした。
事件を担当する女性刑事(シャーリーズ・セロン)は、最初息子(次男)の捜査をするよう強く迫る父親に手こずりますが、元軍人である父親の捜査分析能力に驚き一緒に捜査するようになりました。
軍警察と地元警察の管轄区域をめぐる対立もあって捜査は、なかなか進展しませんでした。
そんな最中(さなか)、女性刑事は、滞在しているホテルに父親を訪ね、焼かれてバラバラにされた無残な次男の死体が、発見されたと告げました。
父親は、息子の死の真相を究明すべく懸命の捜査を一人で始めました。
父親を演じるトミー・リー・ジョーンズの激怒と悲痛の感情をじっと抑えた渋い演技がすばらしく、刑事を演じるシャーリーズ・セロン(元モデル)の凛々しく美しいスタイルに見惚れてしまいました。
撮影のロジャー・ディーキンスは、コーエン兄弟監督作品の撮影をほとんど任される撮影のスペシャリストだけあって「告発のとき」の映像も自然な色調でリアルな雰囲気が、良く表現されていました。
私が、見たディーキンス撮影作品をざっと数えても「ショーシャンクの空に」(1994)、「ザ・ハリケーン」(1999)、「ジャーヘッド」(2005)、「ノーカントリー」(2007)、「トゥルー・グリット」(2010)とどれも秀作・名作映画ばかりです。
私は、テレビ(の愚劣な番組)がキライで、仕事から帰ると‘お一人様シネコン’で映画ばかり見ています。
そして感動した映画の感想を拙ブログに独断と偏見で書いています。
これからもコメントをお願いします。