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心の時空

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勝手にしやがれ  シネマの世界<第103話>

フランス映画にヌーヴェルヴァーグ(新しい波)と呼ばれる斬新な映画撮影手法を取り入れたのが、ジャン=リュック・ゴダール(1930~)監督です。
a0212807_2221626.jpgゴダール監督の長編映画デビューは、1959年29才のとき、「勝手にしやがれ」(原題A bout de souffle、意味は「息切れして力尽き」)でした。
ヌーヴェルヴァーグ(新しい波)の表現方法は、映像に自然の光を生かすため野外ロケの撮影が中心で、同時録音や即興での演出を特徴としています。
a0212807_225360.jpg映画「勝手にしやがれ」は、白黒フィルムを使い、この撮影手法に加え画期的な‘ジャンプカット’(シーンの連続性を無視してカットを繋ぎ合わせること)編集をしているので、それまでの映画にはない斬新な映画でした。
「勝手にしやがれ」にストーリーらしいストーリーはなく、盗んだ車でマルセイユからパリ向かう途中、パトロールの警官を射殺した青年が、パリで知り合った若いアメリカ女性に恋し、二人で無軌道な逃避行をするだけの映画です。
a0212807_2255226.jpg無軌道で刹那的な青年役のジャン=ポール・ベルモンド(1933~映画出演当時26才)が、ピッタリのはまり役で、ジーン・セバーグ(1938~映画出演当時21才)の若々しいチャーミングな魅力が、たっぷり堪能できる映画です。
青年は、彼女の裏切りで警察へ密告され、警官に追われた青年が、路上で警官に撃たれ彼女に見つめられながら死しでいくシーンで終わります。
このシーンは、後にアメリカン・ニューシネマの1967年映画「俺たちに明日はない」、1969年映画「明日に向かって撃て!」のラストに影響を与えているように思います。
この無軌道でアナーキーな主人公の心情が、ロードムービーを思わせるロケ撮影による白黒フィルム映像とジャンプカット編集効果で良く表現されています。
a0212807_2262395.jpg映画の表現にジャンプカット編集を初めて取り入れたのが、ゴダール監督で、最初に出来上がった「勝手にしやがれ」は、上映予定時間の倍以上ありました。
プロデューサーは、ゴダール監督に映画の上映時間を半分にカットするよう指示しました。
そのためゴダール監督は、仕方なく各シーンをランダムに切り、フィルムをつなぎながら再編集すると、この手法が映画の斬新な映像表現として高い評価を受け‘ジャンプカット’と呼ばれるようになりました。
ゴダール監督は、この長編デビュー映画「勝手にしやがれ」でヌーヴェルヴァーグの旗手と呼ばれるようになりました。
by blues_rock | 2012-11-07 00:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)