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心の時空

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a day in my life

火曜画家の「彼岸花」

私が働く高齢者介護施設のお客様たちは、毎週火曜日の午後、‘日曜画家’ならぬ“火曜画家”になられます。
モチーフは、毎週違いますが、介護(行動見守りやトイレ介助、車イスなど)の必要な方々ばかり、残念ながら野外へ写生に出かけられませんので、どうしても室内で四季折々の草花・野菜、スタッフをモデルの人物画、身の
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まわりにある静物を描くことになります。
画材費は、お一人月400円をいただくだけなので、贅沢な材料は使用できません。
毎回、火曜画家の皆様方に提供するのは、紙とエンピツ、クレヨン・クレパス、水彩絵の具と絵筆くらいですが、
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文句ひとつ言われません。
紙は、A4サイズの普通の画用紙、濃い太芯エンピツか普通の3Bエンピツ、24色のクレヨンかクレパス、24色の水彩絵の具、大きさの違う水彩筆か習字筆を駆使し、各人各様個性豊かなウエンズデイ・アーチスト(火曜画
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家)たちの才能が、こうして開花し発揮されます。
絵を描くことに制約やルールはなく、表現の自由‥具象画、抽象画、落書き何んでもOKです。
伸び伸び、ゴシゴシ、さらさら‥概ね1時間が、過ぎたころ「そろそろサインをお願します。」とスタッフが、皆様方
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の絵を集めてまわります。
サインをお願いするのは、自分の描いた絵を憶い出してもらうため‥描いたばかりの自分の絵を憶い出せない認知症の方も多く、合評会のとき「これは○○さんの絵です。」と紹介すると「ワシャ、絵など描いとらん!」
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とか「それ私の絵?さあ、憶えとらんがね。」と言われる方に、絵のサインを見ていただくためです。
「○○さん、この名前、見憶えありませんか?」と質問すると「アリャ、ワシの名前だな。」とか「あれま!?私のだ。」の返事に、合評会参加者全員で大笑い、ご本人たちは、照れ笑いで、あっという間に合評会も終わります。
10月9日「認知症に感性の衰えはない」でも描きましたが、どなたの「彼岸花」の作品も無邪気で天真爛漫です。
by blues_rock | 2012-10-19 00:33 | 高齢者介護(認知症) | Comments(0)
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