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心の時空

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父と暮らせば  シネマの世界<第97話>

黒木和雄監督のライフワークであった映画「戦争レクイエム三部作」最後の第3作目が2004年の映画「父と暮らせば」で、原爆投下後の広島が、映画の舞台です。
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広島の原爆投下地点で頑固ながらやさしい父親(原田芳雄)と二人、図書館に勤めながら平穏な暮らしをしている若い女性(宮沢りえ)が、主人公です。
a0212807_18064.jpg映画全編を通してほとんどが、父と娘二人の会話で、二人舞台の演劇のようでした。
「戦争レクイエム三部作」は、映画監督黒木和雄が、後世への遺言映画として“どうしても撮っておかなければならない”と強い意志でメガホンをとった戦争拒否のメッセージと思います。
映画「父と暮らせば」のストーリーは、これからご覧になられる方のために書かないでおきます。
黒木和雄監督の常連で名優原田芳雄の胸を借りながら、何かにつけ「おとったん、おとったん」と父を気遣う古風な娘を演じた宮沢りえの楚々として可憐な演技が、光りました。
a0212807_184436.png「戦争レクイエム三部作」の第1作目が、1988年の「TOMORROW明日」です。
「TOMORROW明日」の舞台は、1945年8月8日の長崎です。
1945年8月15日、昭和天皇の降伏宣言(敗戦告知)がラジオから流れたその日、日本国民苦難の悲惨な戦争は、やっと終わりました。
映画「TOMORROW明日」は、日本敗戦のわずか1週間前、8月8日から長崎に原爆が投下される1945年8月9日11時2分その瞬間までの長崎で暮らす市井の人々の一日が、描かれています。
粗暴な愛国心を大声で金切り声あげ鬼畜米英を叫ぶわけでもなく、鉄砲かかえて行軍しているわけでもない、貧しくも真面目で正直な多くの老人・女子供が、原爆で一瞬のうちに焼き殺されました。
生き残った人たちも直接被ばくしていますので、生涯放射能による原爆後遺症に苦しみ亡くなりました。
2003年の映画「美しい夏キリシマ」が、第2作目(こちら)です。 (下写真:原爆投下後の浦上天主堂前光景)
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黒木和雄監督の「戦争レクイエム三部作」の映画に登場したモデルとなった人たちの御霊は、自分たちに降りかかった戦争という悪疫の理不尽さと不条理への怒り収まらず、今も未だ宙を彷徨っているに違いありません。
by blues_rock | 2012-10-16 00:02 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)