ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

南極料理人  シネマの世界<第96話>

沖田修一監督(1977~35才)は、若手映画監督ながら力みのない脚本と演出で程良く肩のチカラが抜けた佳作映画を撮ります。
今年見た「キツツキと雨」(2012)の作風もそうでしたが、商業映画デビュー作品「南極料理人」(2009)も沖田監督ならではの、さっぱり爽やか風味の映画です。
a0212807_1384644.jpgこの映画で新人映画監督に送られる「新藤兼人賞金賞」を2009年に受賞しました。
映画は、念願の南極に転勤することになった同僚が、突然倒れ泣く泣く代わりに南極に単身赴任することになった海上保安庁海上保安官の南極出発前から任を終えて帰国するまでの南極ドームふじ基地での悲喜交々(こもごも)の物語です。
海上保安庁から出向し南極地域観測隊メンバーとなり、1年数カ月間寝起きを共にする隊員8名の食事担当であった西村隊員の自伝を元に、沖田監督自ら脚本を書き映画にしました。
a0212807_141896.png
南極ドームふじ基地は、昭和基地からさらに内陸へ1,000km、標高3,810m、平均気温マイナス54度、ペンギン・アザラシはおろか病原体もウィルスいない極寒の極地で天文・気象・地質・生物の専門家が、1年数カ月後、次の隊と交代するまで観測を行なうのです。
日本は、1956年から南極観測を始め56年の歴史があります。
a0212807_142161.jpg調理担当(堺雅人)、雪氷学者(生瀬勝)、雪氷学者(生瀬勝久)、気象学者(きたろう)、雪氷助手(高良健吾)、大気学者(小浜正寛)、医療担当(豊原功補)、車両担当(古舘寛治)、通信担当(黒田大輔)の隊員を演じた8人の俳優たちは、実に自然体でユニーク、演技しているというよりモデルとなった実在の隊員が、全員映画に出演しているかのようです。
後ろ髪引かれて泣く泣く南極へ単身赴任したものの毎日東京の家族のことを想う西村隊員でしたが、家族(娘)から届いた「お父さんがいなくなってから毎日楽しくてしょうがありません。」のファックスを広さ畳2枚の狭い自室で見て、ガックリ落ち込こみ、塞(ふさ)ぐ単身赴任のお父さんの姿は、普通のサラリーマン家庭のようでペーソスが漂っていました。
沖田修一監督の次回作映画は、来年2013年「横道世之介」というタイトルだとか、大いに楽しみにしています。
by blues_rock | 2012-10-15 00:41 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)