ボブ・ディランの新アルバム「テンペスト」
ボブ・ディランは、71才の今も現役で年間100公演くらいのライブ活動をしています。
今年9月、ボブ・ディランは、35枚目のアルバム「テンペスト」をリリースしました。
デビューして50年、ボブ・ディランは、自ら作詞・作曲しギターを弾き、ハーモニカを吹いて歌い、通算35枚のアルバムを発表したのですから「すごい!」の一言で、これからも出てこないのではないかと思います。
ボブ・ディランもエルヴィス・プレスリーのロックンロールに魅せられて1962年デビューしました。
激動の1960年代当時のアメリカは、ベトナム戦争の泥沼化により社会が疲弊、国内では黒人差別に反対する公民権運動が、日に日に激しさを増していました。
フォーク・シンガー、ウッディ・ガスリーの影響を受けたボブ・ディランは、反戦平和・自由平等・人種差別反対のメッセージ(詩)を社会に伝えるため、ギター・ハーモニカを奏でながらプロテスト・ソングを歌いました。
やがてボブ・ディランは、“時代の代弁者”として1960年代当時の若い世代に崇められていきました。
1964年ビートルズと出会い、ジョンやジョージと親しく交流するうち、自分の内なるロックロールの原始に目覚め、1965年「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」・「追憶のハイウェイ61」、1966年「ブロンド・オン・ブロン」と続けてロック音楽史に残るフォーク・ロックの名盤を発表しました。
ビートルズもまたボブ・ディランの詩の影響を受け、それまでのロックンロール・バンドから自分の精神と向き合うメッセージ性の強いロック音楽に変化していきました。(参考アルバム:1965年「ラバー・ソウル」、1966年「リボルバー」)
ボブ・ディランの作詞・作曲の才能、とくに詩人としての才能は、世界中から高く評価され、ロック・ミュージシャンながら2008年ジャーナリストに贈られる「ピューリッツァー賞特別賞」を受賞、現在「ノーベル文学賞」の候補にもなっています。
余談ながら、ロック・ミュージシャン、ボブ・ディランが、詩人として「ノーベル文学賞」を受賞する日も近いのではないかと私は、思っています。
ジョン・レノンの死から32年、ボブ・ディランのニュー・アルバム「テンペスト」の最後の曲(10曲目)は、「Roll on John」でした。