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心の時空

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宇宙人ポール  シネマの世界<第86話>

映画「宇宙人ポール」(2011)は、イギリスの映画人とアメリカの映画人が、おもしろい映画を作ろうとコラボレーションしてできたなかなかの‘快作’です。(予告編はこちら
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イギリスとアメリカ二つの国の異質な文化のエッセンスが溶け合い完成したセンスのいい映画で、主人公の宇宙人ポールが、地球人(イギリス人・アメリカ人)相手に放つ痛快なギャグと辛らつなジョークにゲラゲラ・クスクスと思わず笑います。
a0212807_23454259.jpgコミックオタクでUFOが好きな二人のイギリス人(サイモン・ペグとニック・フロストのコンビ、二人は主演と脚本を担当)が、アメリカのコミコン(コミック本見本市)に出かけ、二人の長年の夢であった「エリア51というUFOマニアの聖地(アメリカ空軍グレーム・レイク基地)」に向かう途中で、スピードを出し過ぎて自動車事故を起こした変な宇宙人に出遭うところから次第に映画は、スピートアップして行きます。
a0212807_23462161.jpg自分をポールと名のる宇宙人は、ビックリ仰天する二人を無視して強引に車に乗り込みました。
ポールは、「地球に不時着し捕らえられ1947年からアメリカ軍のUFOと宇宙人の研究に今まで協力し情報提供してきた。いよいよ自分が、実験材料にされそうになったので逃げて来た。自分の星(くに)に還るので、宇宙船が迎えに来るところまでヒッチハイクしたい。助けて欲しい。」と地球にいる身の上話を二人にしました。
a0212807_014125.jpgお人好しの二人は、宇宙人ポールに押し切られ、彼が‘宇宙人でない’よう隠し装いながら旅をすることにしました。
引っ込み思案でオタクのイギリス人二人とジョーク連発の陽気な宇宙人ポールが、行く先々で引き起こす騒動に大笑いし、宇宙人ポールの妙に情にもろいヒューマンな行為にホロリとさせられながら映画は展開していきます。
宇宙人ポールのアメリカ風俗と庶民文化に毒されたキャラクターが、とにかく愉快です。
ポールは、宇宙人として囚われエリア51で60年余り暮らしているので、英語はペラペラ、すること、なすこと茶目っ気たっぷりの陽気なアメリカ人そのままです。
a0212807_032269.jpgポールの声は、渋く低い声ながら(声:セス・ローゲン)シャープで辛らつなコトバと下ネタばかりのジョークを連発しながら、まわりの人たちを煙(けむ)にまきます。
宇宙人ポールをCG演出したグレッグ・モットーラ監督(1964~48才)は、ポールのしぐさの一挙手一投足にシャレっ気をもたせ、演技(細かい動作の一つひとつ)に相当こだわり、CG撮影しているのでポールのしぐさが自然でリアリティを感じます。
a0212807_041859.jpgポールが、タバコに火をつける時のキザなしぐさやマリファナを吸うワルっぽい雰囲気は、何んともカッコイイ宇宙人です。
この映画「宇宙人ポール」を撮ったモットーラ監督、この映画の脚本を書き主演したサイモン・ペグとニック・フロストのコンビ、この三人による映画での痛烈なアメリカ文明批判、とくにマッチョな男を鼻先で嗤い、偏狭なキリスト教原理主義者をシニカル(冷笑的)に皮肉るシーンは、ブラック・ユーモアのセンスに溢れています。
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スティーブン・スピルバーグ監督とエイリアン主演女優シガニー・ウィーバーのカメオ出演は、二人の「宇宙人ポール」へのエールと推察、また「イージー・ライダー」・「E・T」・「未知との遭遇」の有名なシーンのパロディは、モットーラ監督ほか関係者のそれぞれの作品に対する心からのオマージュと思いました。
by blues_rock | 2012-09-12 00:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)