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心の時空

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イン・ハー・スキン  シネマの世界<第83話>

オーストラリア映画「イン・ハー・スキン」は、シモーヌ・ノースというオーストラリアの女性監督による2009年作品で、原題の「I am you(in her skin)」を目ににしただけでいかにもサイコティックな雰囲気を醸し出すタイトルに興味をそそられました。
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脚本もシモーヌ・ノース監督が、担当しています。
私は、シモーヌ・ノース監督を知らないので、期待しないで映画を見ましたが、質の良さに驚きました。
オーストラリア映画、侮(あなど)れず、シモーヌ・ノース監督のセンスに恐れ入りました。
a0212807_15171995.jpgリアリティのあるスリラー映画で、日本のチャチなホラー映画を束にしても、この映画の不気味さには、遠く及びません。
「イン・ハー・スキン」は、日本で劇場公開されておらず、日本の映画配給会社が、この映画を見落としたのなら節穴と思います。
前述のとおり「イン・ハー・スキン」は、スリラー映画ながらもサイコ・ホラーっぽいサスペンス映画でもありました。
主演女優のルース・ブラッドリー(1987~、アイルランド)が、実にすばらしく、肥満体形で顔も太めの映画ヒロインそのままの容姿で熱演、ヒロインの劣等感もそのままに、嫌味な性格と併せ情緒不安定な精神疾患をもった若い女性に成りきっていました。
自分は不幸、自分は醜い、自分はダメ‥自分を苛(さい)む劣等感と自分と対極の人(幸せな人・愛される人・美しい人)へのやっかみ・嫉(ねた)み・羨(うらや)みが、彼女を狂気に追いやります。
シモーヌ・ノース監督は、オーストラリアで実際に起きた少女失踪事件を元にして映画の脚本を書き撮影しています。
ストーリーは、これから映画を見られる方のために省略いたします。
a0212807_2322131.jpg女性で、自分は美しく幸せで他の女性から羨(やっか)まれ嫉(ねた)まれているかもしれないと思われている方は、ぜひ映画をご覧になり、日ごろからご自分の身辺に注意されることをお薦めいたします。
映画の中で、彼女を心配する父親の前に立ち、突然ヌードになり「私はデブで、ブスで、醜い白豚よ。太っていて足も短いし、顔も不細工で髪もクチャクチャだし、こんな私をダレも好きになるわけない!」と泣き叫ぶ壮絶なシーンは必見です。
父親は、娘をそっと抱きしめました。
もう一つ、ルース・ブラッドリーの演じる狂気で、リアルな恐ろしさを感じたのが、美少女を絞殺するシーンです。
相手の顔を見て首を絞めながら、彼女の口から涎(よだれ)が、糸をひいて滴り落ちるシーンは、ルース・ブラッドリー入魂の演技なのか、シモーヌ・ノース監督の演出なのか、ぜひ知りたいところです。
映画の最後に、殺人罪で服役している刑務所の庭で彼女が、空を見上げてニコッと笑うシーンも彼女の多重人格の深淵を上手く表わしていて不気味でした‥女性の羨(やっか)みと嫉(ねた)みは、怖いなあ。
by blues_rock | 2012-09-06 00:15 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)