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心の時空

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真夜中のカウボーイ  シネマの世界<第75話>

1969年映画「真夜中のカウボーイ」は、アメリカン・ニューシネマ初期の名作で、私の好きな映画の一本です。
a0212807_1484363.jpgアメリカン・ニューシネマには、1967年「俺たちに明日はない」・1967年「卒業」・1969年「イージー・ライダー」・1969年「明日に向かって撃て」・1971年「愛の狩人」・1973年「スケアクロウ」・1975年「カッコーの巣の上で」・1976年「タクシードライバー」など多くの秀作・名作があります。
アメリカン・ニューシネマは、ベトナム戦争の泥沼化で反戦運動と閉塞的な厭世ムードがアメリカ社会を覆う中、ニューヨークを中心にイタリアのネオレアリズモの影響を受けた若い世代の映画監督が、新しい感覚を発揮し、先進的な撮影手法や新鮮な映像を生かして制作されました。
イタリアのネオレアリズモは、フランスのヌーヴェルヴァーグや日本のATGなど世界中の前衛的な映画監督たちに大きな影響を与えました。
さて、映画「真夜中のカウボーイ」は、イギリス人映画監督のジョン・シュレシンジャー(1926~2003)の作品で、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞を受賞しています。
この映画の見どころは、主役二人、ジョー役のジョン・ヴォイト(1938~)と相棒になるラッツォ(本名はニコ)役のダスティン・ホフマン(1937~)の演技と名シーンの数々です。
a0212807_1491394.jpgストーリーは、二人が冬のニューヨークで出会い、フロリダでラスティが死ぬまでの短い期間の物語です。
カウボーイスタイルをカッコイイと信じる単純なテキサス男のジョーは、着いたばかりのニューヨークで金持ち女相手のヒモ(ジゴロ)になろうとしますが、ことごとく失敗します。
失敗するのは、マネージャーがいないからだとラッツォに言われ、彼を信じマネージャーにしました。
乞食同然ながらプライドの高いラッツォは、ジョーに「自分の名前はニコだ。これからラッツォ(ネズミの蔑称)と呼ぶな。」と約束を迫りました。
a0212807_1494531.jpgお互い生きるため相手を利用しますが、やがて友情が生まれます。
有り金を失くしたジョーは、ホームレスのニコが、ネグラにしている廃墟のビルで共同生活を始めました。
しかし、ニコは男色の客ばかり引き合わせるのでジョーは激怒しました。
足が悪く病気もちで咳き込んでばかりいるニコの容態が悪化し、ジョーはニコが行きたがっていたフロリダへ彼を連れて行こうとします。
バス代のないジョーは、街へ出て声をかけてきた男とホテルに行きバス代を奪いました。
フロリダ到着を前にしてバスの途中停車時間に、ジョーは服を買い着替え、カウボーイ・スタイルの衣類をすべて捨てバスに戻るとニコは衰弱していました。
a0212807_1542313.jpgジョーは、ニコの汚れた服を脱がせ、フロリダに似合う明るい服に着替えさせました。
二人の乗ったバスが、間もなくフロリダ終点に到着するという時、ニコはバスの窓に頭をもたれて息絶えていました。
そのシーンがこちらです。
「真夜中のカウボーイ」は、ホモセクシャルのシーンが多く、成人映画に指定されながらアカデミー賞を受賞した唯一の作品で、アカデミー受賞後に成人指定は取り消されました。
映画の主題歌に使われたニルソンの「うわさの男」(1969)も名曲です。
by blues_rock | 2012-08-02 01:45 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)