ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

ゼラチンシルバーLOVE  シネマの世界<第72話>

写真家の操上和美(くりがみかずみ1936~76才)が、映画の原案(イメージ)を作り撮影監督も自ら担当し長編映画を初監督した2009年公開の映画作品です。
ゼラチンシルバーLOVE」のゼラチンシルバーとは、銀塩写真(ゼラチンシルバーにプリントしたモノクロ写真)のことです。
ショーン・コネリーやキース・リチャーズなどの写真、井上陽水のジャケット写真などで知られる写真家操上和美ですが、2008年72才の時に初めて映画に挑戦し撮ったのが「ゼラチンシルバーLOVE」でした。
a0212807_22443354.jpg
写真家がファィンダー越しに被写体を見るような映像ショットの数々は、撮影監督として操上和美映像の真骨頂でしょう。
映画のストーリーは、シンプルながらミステリアスでエロチック‥冷酷ながら美しい殺し屋の女(宮沢りえ)と殺しを依頼する中年の男(役所広司)、男から女の監視とビデオ撮影を依頼された若い男(永瀬正敏)の三人が、主人公です。
a0212807_22454322.jpg
監視とビデオ撮影の依頼を受けて倉庫のような部屋に隠れて運河の向こうの部屋に住む女を監視しているうちに若い男は、女に魅かれ女を撮ったゼラチンシルバー写真を倉庫の部屋いっぱいに飾りました。
殺し屋の女は、自分が監視されていることを知り、まず依頼人を映画館でサイレンサーで射殺そして若い男もサイレンサーで射殺しました。
女は、若い男を射殺した後、彼の部屋の壁いっぱいに貼られた自分の写真を見て、彼の気持ちを感じますが、黙って部屋を出て夜の闇の中に消えて行きました。
a0212807_22462367.jpg
宮沢りえは、キュート過ぎてニキータのような殺し屋の凄身はありませんが、冷酷な美人の殺し屋をクールに演じていました。
殺しの仕事を終えて隠れ部屋に帰り、壁際にうずくまって肩を震わせ身もだえして泣くシーンと殺した若い男の部屋いっぱいに貼られた自分の写真をじっと見て目に涙を浮かべるシーン(ほんの一瞬のシーン)は、淡々とした映画をしっとりさせます。    (下写真 : 写真家としての永瀬正敏が撮った操上和美監督と撮影現場)
a0212807_2247935.jpg
彼女が、湯でたまごを食べるシーンとソフトクリームを舐めるシーンの口元をアップで撮ったエロチックな映像(エロチックなシーンはこの二つだけ)に操上監督のこだわりを感じました。
写真家荒木経惟なら「湯でたまごを食べる口元とソフトクリームを舐める口元」のアップシーンをどんなエロチック(ワイセツ)な映像に撮るだろうかと想像しました。
by blues_rock | 2012-07-22 00:56 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)