ハング・ドラム
Hang(ハング)は、スイス・ベルン地方の方言で「Hand(手)」を意味するそうです。
ハンド・ドラムは、名前のとおり手で叩いて演奏するシンプルな楽器でジョンベのような打楽器(太鼓)のイメージですが、その音たるや奥深く、実に複雑な音色を奏でます。
ハング・ドラムのスケール(音階)は、あらかじめ決められていて、ドラムには8つの窪みがあり、これが9つの音にチューニングされています。
演奏する人の音楽センスや個性、演奏スタイルによって、同じ楽器とは思えないほど音色が変わります。
ハング・ドラムは、打楽器のようで打楽器ではなく、鍵盤楽器のような音階を奏でるのに鍵盤楽器ではなく、聴いているとシンセサイザーを使っているかのような変幻自在のリズムを刻むことができます。
2001年から2005年にかけて作られたファースト・モデルでは、45種類のスケール(音階)が用意されました。
ストリート・ミュージシャンに評判となり、演奏風景がインターネット(YouTube)で流れると世界中で大きな反響がありました。
ハング・ドラムは、フェリックスとザビーナ二人の職人が、1年間かかっても1,000個しか作れないので、世界各国からの注文を受けることができずPanArt社は、公式サイトを閉鎖しました。
新品のハング・ドラムを入手するためには、PanArt社にメールで連絡の後、在庫OKの返事を待ってベルンの本社まで引き取りに行くことが条件となりました。
それでもOKの返信は、期待できないとのこと‥新品を手に入れるのはほとんど不可能と思ってよいでしょう。
品薄のハング・ドラムは、中古品も高値で取引され、ネットオークションでは、新品より高い価格で落札されています。 (上写真2枚 : 糸島半島二見ケ浦、九州ロマンチック街道より)