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心の時空

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a day in my life

転ばぬ先の杖 ‥ 認知症のこと

福岡市郊外の山麓にある高齢者介護施設(デイサービス森の家と小規模多機能ホーム森の家みのり荘)をこの地域に住まわれる高齢者37名(平均年齢83才)の方々が、利用されています。
a0212807_2152246.jpgご利用者の概ね5人のうち4人は、程度の差はあれ認知症です。
認知症は、“脳”の病気です。
ヒトは皆、高齢になるといろいろな病気をかかえ、クスリの種類と量が増え、クスリ漬けにされていきます。
高齢者になれば年相応の衰えは当然のことで、下肢筋力が衰え、立ち上がるにも、歩くにも介助が必要となります。
認知症は、ある日突然現れる病気ではなく、加齢とともにゆっくり進行して行きます。
a0212807_2174686.jpg認知症は、早期発見することにより対処療法で病気の進行を抑え、介護保険制度による介護プランを利用すれば、人生最期の日まで自宅で普段の生活を続けられます。
認知症発病が、イクオール施設入所ではありません。
住み慣れた自宅(終の住家)、住み慣れた地域で、人生最期まで暮らしたいのは、ダレもの願い(希望)です。
そのためには、高齢者に一番多い病気‘認知症’に早く気付き、折り合いをつけ共生していけば、今までどおり普段のの生活を続けることができます。
a0212807_2184314.jpg認知症の高齢者が、気を付けなければならないのは、カゼと骨折です。
この二つは油断大敵、カゼは万病のもとなので、カゼをこじらせると症状によっては入院しなければならなくなり、転倒による骨折(手・足・腰・臀部)もまた長期入院を余儀なくされます。
認知症の方が、2~3か月くらい長期入院され、私たちの施設に戻って来られると素人の私でさえビックリするくらい認知の症状は、悪化しています。
a0212807_2110891.jpg病院に入院すれば、退院するまで規則どおりの生活が続き、自由を奪われ病室とベッドで長期間暮らすわけですから、認知症患者には、相当のストレスと推察します。
病院は、入院患者を「看護という手段で医療措置」しますが、高齢者介護施設は、利用者を「介護という方法で福祉対応」しますので、「看護」と「介護」では、認知症患者への対応がまったく違います。
私たちの二つの介護施設は、毎日朝礼をしていますが、まず始めに認識を一致させるために、全員で私たちの理念を唱和します。      (下写真4枚:三潴町十連寺、宮地嶽神社の竹林と「ふかほり邸」の庭)
a0212807_21132912.jpgまあ、理念というより‥自分が、認知症高齢者になったときに自分の望む(願う)認知症ケアをアピールしているようなものです。
最初に三つの理念、次に3つの心得を全員で唱和し最後に7つのポイントを確認します。
◇ 高齢になり、介護が必要になっても、家族や親しい人たちとともに、不安のない生活を続けたい、住み慣れた自分の家や地域で過ごしたい、という高齢者の願いに可能な限り応えるよう支援します。
◇ ご利用者一人ひとりの人格を尊重し、可能な限り家庭的な環境のなかで、管理的ではなく、自由な自己決定ができる、その人らしい「尊厳ある生活」を尊重します。
◇ 私たちは、高齢になっても安心して在宅生活ができるような介護支援の実現と地域に必要とされる事業所に育つことを目指します。
a0212807_21142373.jpg理念の後に、認知症のお客様に接するときの3つの心得「驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない」と続け、最後に7つのポイントです。
1.まずは見守る
心得の「急がせない」が、これに当たります。
健康な人には、普通の行為も、認知症になると何ごとにも時間がかかるもの、イライラせず急かせないで、まずは見守ってあげてください。
2.余裕を持って対応する
とにかく余裕を持って対応してあげてください。
3.声かけする時は、一人でする
みんなで同時にいろいろ言っては、いけません。
認知症の方は、いつも精神的に不安感を抱かれており、回りから同時に声をかけられると混乱され、内に抱える不安が増幅され、パニックになります。
a0212807_21233088.jpg4.後ろから声をかけない
後ろから声をかけられるとビックリされ、恐怖感でパニックを起こされる場合があります。
5.相手に目線を合わせてやさしい口調で話す
これも当たり前のことですが、認知症の方は潜在的に常に不安を自覚されていますので、同じ目線で静かに語りかけることが、とても大切です。
不安のない穏やかな気持ちにしてあげれば、素直にこちらの言っていることを理解されます。
6.穏やかにはっきりした滑舌で話す
高齢者は、耳の遠い方が多く耳元ではっきりした滑舌で話さなければ、聞こえていない場合があります。
7.相手の言葉に耳を傾けて対応する
認知症を患った高齢者は、不安心理からくるワガママが次第に多くなり、無理難題や聞き分けのないことを言われたりします。
a0212807_21252255.jpg注意したり制止したり、無視すると興奮され、事態はさらに悪くなる場合もありますので、まずは相手の言葉に耳を傾け、それから対応することが大切です。
自分の家族や隣近所に認知症の高齢者が居られたら、接し方のノウハウとしてぜひ参考にしていただき憶えておかれると、とっさの時に役立つと思います。
昔から「転ばぬ先の杖」といいます。
明日はわが身‥やがて自分が年をとり認知症になったとき、家族から人からどのように接してもらいたいか、自分の願う認知症ケア(自分の希望する環境)を今から準備しておくことが、最良の認知症対策と私は考えています。
認知症の方を在宅で家族(近親者)だけで四六時中お世話するのはムリ‥いずれ‘共倒れ’になります。
何度も繰り返しますが、認知症は外見では、すぐに分からない“脳の病気”です。
住まわれている地域の「きちんとした介護事業所」に相談され、認知症介護研修課程を修了した介護員のいる施設を利用しチカラを合わせて高齢者の在宅生活を支えてあげましょう。
by blues_rock | 2012-05-18 01:07 | 高齢者介護(認知症) | Comments(0)