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心の時空

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a day in my life

エレジー  シネマの世界<第51話>

映画の原題も「ELEGY」で、日本語のエレジー(哀しい歌)そのものです。
初老の男(大学教授)と若く美しい女性(教え子)の30才余の年齢差を越えた恋愛物語‥映画のテーマは、初老の男と若い女との相手に対する性認識の相違(ズレ)と二人の間にある愛(恋愛)の葛藤です。
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女性監督のイザベル・コイシェ(1962~)が、しっとりとした映像で撮っています。
時に手持ち移動カメラによる接写の撮影が、登場人物の心理描写に効果を与え、なかなかセンスある映画監督だなと感心しました。
a0212807_0234760.jpg初老の男と若く美しい女性との恋愛は、男としてウラヤマシイはずですが、映画「エレジー」(2007)は、人間の本質ともいうべき自己愛(エゴイズム)と絶対孤独をコインの表裏のように表現していました。
主演の老大学教授を名優ベン・キングスレー(1943~)、親友の老詩人を名優デニス・ホッパー(1936~2010)が、人間のエゴイズムと孤独を自然な演技で好演し、ペネロペ・クルス(1974~)は、初老の大学教授を熱愛する若い女性役で美しい容姿を見せてくれました。
女性監督の演出なのでヌードの見せ方が、上手く清楚でした。
a0212807_0331646.jpg彼女との関係を続けながらも、彼女の一途な愛に戸惑う老教授、彼には旧くから性的関係を続ける中年の女友だちもいました。
若く美しい女性の虜(とりこ)になっていく老教授‥いつしか彼の心に、自分の知らない彼女の行動への不安と嫉妬が、生まれ始めました。
そんな中、彼女は、自分の大切なパーティに彼を招待しました。
a0212807_0432431.jpg彼女は、彼に自分の大切な家族や友人たちに「私の愛するあなたを紹介したい」と伝え、パーティには、必ず来て欲しいと約束しました。
彼は、老いた自分が、彼女の家族やまわりからどう思われるか、自分の旧い常識を捨て切れずに怖気(おじけ)づいて、彼女にウソをつきパーティに行きませんでした。
彼女は、深く傷つき彼と別れました。
彼は、彼女のいない日々の喪失感で、今までの人生に何が足りなかったのか、彼女を失って初めて気がつきました。
それから2年余りが過ぎた大晦日の深夜‥彼女から彼に、突然電話が入りました。
だが、もうその時には、二人に残された時間はありませんでした‥映画は、ここで終わりました。
愛は、失って初めて心の奥で、強く感じるものかもしれません。
by blues_rock | 2012-03-17 00:20 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)