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心の時空

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a day in my life

レナード・コーエン ‥ 詩・鬱・恋・禅のロック

今年78才のレナード・コーエン(1934~)は、今でもニューアルバムをリリースするロックミュージシャンです。
四文字熟語のような「詩・鬱・恋・禅」は、彼のロックを理解する時、重要なキーワードとなります。
彼の音楽は、ロック(の範疇)かと問われると‥普通のロックの概念から遠くにあるロックなので不思議に思う人も多いようです。
a0212807_015930.jpgレナード・コーエンの音楽を初めて聴いた人は‥暗いなあ と感じられると思います。
聴く人の心(感性)や魂に触れないロックなら、ただのノイズ(騒音)‥ウルサク、ウザッタイだけです。
レナード・コーエンの曲を聴くと、ロック・サウンドとしては、静かながら本物のロック魂をもった吟遊詩人であることを感じます。
カナダ(モントリオール)の厳格なユダヤ教徒の家庭で生まれ、ケベックで暮らし、詩の創作や作家活動をしていました。
当時からウツ病に苦しみ(慢性のウツ病患者)、恋に悩み、ドラッグに溺れ、ユダヤ教に迷い、当時ビート文化の中心地であったニューヨークに救いを求め向かいました。
a0212807_061346.jpgしかし、ニューヨークでも、彼の心が癒やされることはありませんでした。
カナダに戻り、イギリスへ行き、ギリシャの孤島で暮らし、キューバへ渡り‥と、世界を転々とした後、またニューヨークへ帰りました。(左写真:チェルシー・ホテル)
当時彼が住んだチェルシー・ホテルには、多くのフォークシンガー、ロックミュージシャン、前衛画家が、出入りしており、彼らとの交流が始まりました。
音楽関係では、ジュディ・コリンズ、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン‥強烈な個性ばかりが、彼の回りにいました。
とくに同じユダヤ人のボブ・ディランとは、親しくなり、ここでギターの弾き方を学びながら、自分の詩を朗読するうちに、いつしか歌を唄うようになりました。
1967年「スザンヌ」でデビュー、ここにワン&オンリーのミュージシャン、レナード・コーエンが、誕生しました。
彼のLPアルバムに初めて針を落とした時、レコードの回転数を間違えたと思うくらい歌声はゆっくり、ボソボソと♪スザンヌ‥スザンヌ(結婚し離婚した女性の名前)とつぶやくように歌い、とにかく暗く陰鬱(いんうつ)な雰囲気でした。
あまり暗い歌ばかり唄うので、彼の歌は「自殺願望のウツ病患者の歌」と揶揄(やゆ)されていました。
a0212807_071867.jpg低い声でゆっくり詩を朗読するように唄う彼の歌が、聴く人の心を捕らえて離さないのは、彼の紆余曲折の人生の苦悩と孤独、出会った女性との恋の喜び、精神の放浪の末に辿り着いた禅(臨済宗)の悟りなど、心の奥底にあるものを表現しているからだろうと思います。
1988年54才の時アルバム「 I'm Your Man 」が大ヒット、遅咲きのロックミュージシャンが、誕生しました。
詩人であり、ロックミュージシャンであり、禅僧の彼を尊敬し敬愛する音楽家たちも多く、1990年代に 2枚のカバー・アルバムが、発売され話題になりました。
a0212807_0102390.jpg1枚は、レナード・コーエンを敬愛するアンダーグラウンドの若いミュージシャンたちによる「 I'm Your Fan 」、もう 1枚が、ボノ(U2)、ドン・ヘンリー(イーグルス)、スティング(ポリス)などロック・ミュージシャンたちによるオマージュ「 Tower of Song : The Song of Leonard Cohen 」で 2枚とも秀逸です。
レナード・コーエンの歌には、女性のコーラスが、入っている曲も多く、彼いわく「一緒に歌ってくれる女性を求めるのは、自分の声で、自分が憂鬱(ゆううつ)になるから、女性の声で私の声を和らげてほしいのだ。」そうです。
そう言われ、彼と一緒に歌った女性たちは、すぐそばで聴くレナード・コーエンの哀感のある低くゆったりとした歌声に女心を奪われ、やがて恋の虜(とりこ)になっていったのでしょう、きっとね。
by blues_rock | 2012-02-19 00:16 | 音楽(Blues/Rock) | Comments(0)