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心の時空

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a day in my life

三冊の本

十代の終わり、私の未熟な精神に大きな影響を与えた三冊の本です。
自我と煩悩の間で右往左往する私の不安定な心を鎮めてくれ、私の座右の書になりました。

◆ 原口統三(1927~1946没、享年19才)‥哲学者
ノート「二十歳のエチュード」一冊を遺し、自らの精神の純潔を守るために19才の若さで自殺しました。
あまりにも明晰な早熟の哲学者でした。
「二十歳のエチュード」から、いくつか抜粋して紹介しまます。a0212807_23381315.jpg
     *
僕は、なれ合いが、嫌いだ。
僕の手は、乾いている。
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真の詩人は、詩論を書かぬものであり、真の信者は、信仰を説明しないものである。
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哲学者は、真理を語りはしない。
彼は、作品を書くだけだ。
     *
日本の自称哲学者たちは、哲学は文章の外にあると思っている。
言語学と文法とを勉強しないで、哲学ができるわけがない。
     *
人間は、自己の真情を吐露しようと欲することにおいて、罰せられている。
原口統三、二十歳にして野心を喪失し、二十歳にして青春を喪失し、二十歳にして記憶力を喪失し、二十歳にしてありとあらゆるものを喪失し、ついに二十歳にして人生を喪失した男。
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すべての「主義」は、自己の正当化、弁解にすぎない。

◆ 森田正馬(1874~1938没、享年64才)‥精神医学博士
a0212807_23385564.jpg「神経質の本態と療法」は、84年前の1928年の出版ですが、いまでも色褪せない精神医学の名著と私は思います。
フロイトも森田博士も若いころ自分自身“パニック障害”に苦しみ、自分の辛苦体験を研究し、精神分析や精神医学で世界的評価を受けました。
人には、精神の根底に“死への恐怖”や不安な思い、心配なことなどがあるものです。
それが、何かをきっかけに、神経症やパニック障害を引き起こす原因になります。
十代の頃、森田博士の「神経質の本態と療法」を繰り返し読みました。
森田博士の教えは「あるがまま、実践せよ」でした。
自分の自然な気持ちを大切に、自分の心のあるがまま‥今日(こんにち)ただ今、まさに為すべきを熱心になせ、と自分に言い聞かせながら暮らしています。


a0212807_234163.jpg◆ 八木重吉(1898~1927没、享年29才)‥詩人
私は、友が無くては、耐へられぬのです。
しかし、私には、ありません。
この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。
そして、私を、あなたの友にしてください。
これは詩集「秋の瞳」の序に書かれた詩人のメッセージです。
「秋の瞳」は、清々しく凛とした名詩集でした。
by blues_rock | 2012-01-14 01:30 | 画集/本(Book) | Comments(0)