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チェ 36歳別れの手紙(CHE part-2)  シネマの世界<第40話>

12月20日のシネマの世界で「チェ 28歳の革命(CHE PART-1)」を紹介いたしました。
a0212807_11181821.jpg「チェ36歳別れの手紙(CHE part-2)」は、「チェ28歳の革命」の続編というより、チェ・ゲバラの人間としての魅力を映画の主題にしています。
スティーヴン・ソダーバーグ監督をオーケストラの指揮者にたとえるなら映画「チェ28歳の革命(CHE PART-1)」では、革命家のチェ・ゲバラを交響曲(シンフォニー)」のような雄大な映画にしていますが、映画「チェ36歳別れの手紙(CHE part-2)」では、チェ・ゲバラの遺した「ボリビア日記」をもとに人間チェ・ゲバラを室内楽(アンサンブル)」のように繊細に撮っています。
理想を求めて生きた革命家ゲバラが、人間に示した哀しいくらいの誠実さと真摯さをベニチオ・デル・トロが、熱演しています。
映画の邦題「チェ39歳別れの手紙」は、冒頭キューバ革命評議会議長となったカストロが、自分とキューバ人民に宛てた有名な「ゲバラの別れ手紙」を革命評議会で読み上げる冒頭シーンから来ています。
革命が成功し、国家元首(=首相)となったカストロと工業相・中央銀行総裁・中央政治委員となった革命の英雄ゲバラ‥しかしゲバラは、カストロとキューバ人民に宛て「キューバでの自分のすべての職権と市民権を放棄する。自分を必要とする革命に身を投じる」と手紙を書き残し、変装してボリビアへ侵入します。
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ゲバラは、南米でも革命の英雄で知られていましたが、ラモンやフェルナンデスなどの偽名を使い、自分がボリビア人であり、山岳の狭い耕作地で貧困と収奪に喘ぎ、圧制に苦しむ農民解放のために、ボリビア軍事独裁政権に抵抗、ボリビア人として反政府の山岳ゲリラ戦を挑みます。
a0212807_116868.jpgカストロは、ゲバラに密かに資金と物資の援助を行います。
あのキューバ革命の英雄が、ボリビアで革命軍を率いてゲリラを指導しているというウワサにボリビア政府は動揺します。
真相を確かめようと焦る軍事独裁政権は、国民に軍事顧問団と偽りアメリカ政府(CIA)に特殊部隊の派遣を求めました。
ゲバラは、それでもボリビア人自身の一斉蜂起(とくに貧困農民たち)によるボリビア人民解放革命にこだわり、自分がキューバ人(アルゼンチン人)のチェ・ゲバラであることを公表しませんでした。
a0212807_1165327.jpgアメリカCIAの特殊部隊が、ボリビア政府軍を指揮し、アメリカ軍支給の近代兵器で武装したボリビア政府軍の前に、チェ・ゲバラ指揮する反政府ゲリラ部隊は、分断され消滅していきました。
農民から農作物を調達と称して略奪する政府軍に対し、反政府ゲリラ部隊は、ゲバラの命令で必ず金を支払い、病人がいれば医師であるゲバラが、治療して貧困農民の蜂起と支援を求めました。
a0212807_11191349.jpg食料もなく、山岳地帯の険しい山中を移動しながらゲリラ戦を展開していくうちに、ゲバラは次第に体力を消耗し持病である重度の喘息発作に苦しみます。
ボリビアは、キューバとは違いました。
政府軍から脅迫され、密告を強制されたボリビア農民たちの裏切りにより、山岳に潜み活動するゲリラ部隊の情報は逐一政府軍に報告され、ゲリラ戦の移動途中を政府軍に待ち伏せされ、ゲリラ部隊は壊滅していきました。
ゲバラは、負傷し政府軍に捕らえられ捕虜となりましたが、アメリカ軍事顧問団(CIA)から前線の政府軍部隊に届いた指令は、軍事裁判になり世界が注目する前に「チェ・ゲバラを処刑せよ」でした。
a0212807_1826687.jpgソダーバーグ監督は、山岳でのゲリラ部隊の一人一人の移動シーンや表情、そしてチェ・ゲバラの最後のシーン‥などで、手動による移動カメラを多く使い、撮影した映像のカットでドキュメンタリーのような映画にしています。
映画の最後に見張りの兵士が、ゲバラに「おまえに、信仰はあるのか?‥何を信じているのか?」と質問します。
ゲバラは「もちろんだ。人間を信じている。」と答えます。
この二作の映画で、世界中に「高潔で純粋な革命家チェ・ゲバラ」のファンが、さらに増えたことでしょう。
by blues_rock | 2011-12-21 06:06 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)