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心の時空

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ウィンターズ・ボーン  シネマの世界<第37話>

このところ女性映画監督の秀作が、続いています。
どの映画も秀作ぞろいで映像・シナリオ・センス・キレ味などに女性監督たちの映画に取り組む姿勢が、ストレートに表われています。
先日見たデブラ・グラニック監督の「ウィンターズ・ボーン」も見事な映画でした。
映画は、アパラチア山脈にあるミズーリ州の荒れ果てた小さな山村で暮らす姉弟3人の物語です。
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ここには、豊かなアメリカ、強いアメリカはありません。
村にあるのは、貧困と絶望、因習・退廃‥人間関係も、親戚同士であっても陰険で暴力的でドロドロと荒廃しています。
主人公の17歳の少女(ジェニファー・ローレンス)は、家族と住む小さな家と土地を形(かた)に借金し行方不明になった父親の代わりに、家族を支え精神異常の母親と小さい弟と妹の面倒を見ています。
a0212807_21233927.jpg借金の取立てに金融業者が来て、担保になっている家と土地を明け渡すよう迫りました。
なぜ父親は、家族を捨て黙って逃亡しなければならなかったのか?どこにいるのか?生きているのか?‥少女は、家族と暮らす家と土地を守るために父親を捜しますが、村の隣人や親戚は、冷ややかな態度で協力を拒否しました。
映画は、少女が必死で捜す父親の気配を少しずつミステリアスに明かし、次第に緊張感を高めていきます。
やがて少女が、知るショッキングな事実から、アメリカ社会底辺の暗部が見えてきます。
村の掟に背いた者は、許さないという村人に抵抗し、自分の過酷な人生にくじけず諦めないで厳しい現実に向かっていく少女の執念に感動します。
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デブラ・グラニック監督は、徹底的なリアリズム映像で映画を撮影しています。
荒れ果てた山村の荒涼とした風景もヒンヤリとしたシャープな映像なのでミステリーとしての効果をより引き出していたように感じました。
好きな映画でも些細なことが気になり、いちゃもん付けたくなる時もありますが、「ウィンターズ・ボーン」は、いちゃもん付けようのない秀作映画でした。
by blues_rock | 2011-12-09 00:32 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)